Brian Wilson – California Feelin’
2002年に発売された日本独自企画のビーチ・ボーイズのベスト・アルバムは、グループの中心人物ブライアン・ウィルソン自らが選曲したことで話題になった。
普通のベスト盤とは少し違う、その選曲の妙がビーチ・ボーイズのコアなファンからも支持され、後に日本だけでなく、本国アメリカでも発売されることになった
この曲はそのアルバム『カリフォルニア・フィーリン(Classics Selected by Brian Wilson)』のラストを飾る曲だ。
演奏はビーチ・ボーイズではなく、ブライアン・ウィルソンと彼の当時のツアー・バンドによって、このアルバムのために録音された「新曲」だった。
これが素晴らしくて、わたしはワンパンでKOされた。
元々は1974年にブライアンが書き、ビーチ・ボーイズでデモ録音したものの、お蔵入りになったままの曲だった。
ライナー・ノーツにブライアン自身が「これは大好きな曲なんだ」と熱烈な調子で書いているとおり、ブライアンが幸福そうに歌っているのが嬉しい。
歌詞はカリフォルニアの風景を描写したようなもので、深い意味までは解らないけれど、レイドバック風の曲調のせいか、長い歳月のなかで失われてしまったなにかを、涙を浮かべながら懐かしんでいるような、そんな曲にも聴こえる。
この10年後の2012年に、あらためてビーチ・ボーイズがこの曲をバラード調にして録音している。
丁寧に作られてはいるけれど、わたしはあんまり好きじゃないかな。ブライアンのバージョンの方がいい。
↓ ブライアン・ウィルソンのバージョン。
↓ 2012年のビーチ・ボーイズのバージョン。