No.420 ザ・ビーチ・ボーイズ/神のみぞ知る (1966)

PET SOUNDS
≪オールタイム・グレイテスト・ソング 500≫ その420
The Beach Boys – God only knows

1966年発表のビーチ・ボーイズの名盤『ペット・サウンズ』収録曲。
同アルバム収録の「素敵じゃないか」のB面としてシングル発売されている(全米39位)。
両面とも名曲という、なかなかお買い得なシングル盤だ。

この曲を含めてビーチ・ボーイズのほとんどの曲を書いたブライアン・ウィルソンの半生を映画化した『ラブ&マーシー 終わらないメロディー』でも描かれていたが、このアルバムを製作していた頃にはすでに彼は不安定な精神状態になりつつあったようだった。
他のメンバーやサポートミュージシャンたちも、彼がなにをやろうとしているのか理解できないまま、指示通りにレコーディングに協力している様子も描かれていた。

この曲は彼が書いた数多くの名曲の中でもとびっきり美しいが、同時になにか不安になるような曲でもある。
既成概念にとらわれない自由さを感じると同時に、生のままのブライアンの天真爛漫な中身がヌルっと漏れだしてきたような危うさも感じる。
15秒程度の短いイントロはいかにもビーチ・ボーイズらしい、その世界観の中でも最も美しい風景が見える瞬間だし、異様なコード進行とキモ美しい歌メロから感じる若干の不安感も、結局はすべて美しい思い出のようにまとめられてしまう。普通のポップスとは別次元の音楽体験ができる曲だ。

ビートルズやキンクスをはじめとして、この史上初のコンセプトアルバム『ペット・サウンズ』のロック史への影響は計り知れない。
中でもこの「神のみぞ知る」はこの時代のモニュメントのように、今も輝きを放っている。

記事を書いた人(Goro)

愛知県在住。中学卒業後、無知蒙昧のまま社会にさ迷い出て、底辺職を転々した後、地元の映画館に拾われる。映画館に10年勤めた後、レンタルビデオチェーンのバイヤーを20年勤め、現在は再び底辺職で肉体労働の日々に返り咲く。心に平安が訪れている。生活に不満はなし。音楽にはいろいろと救われている。「映画は映画館で観なきゃダメ派」ではない。

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コメント

  1. ごろー より:

    村上春樹
    わたしも若い頃は村上春樹の作品を読んでいましたが、たぶん彼がいちばん好きなロックバンドがビーチ・ボーイズだったはずです。エッセイかなにかで読んだ覚えがあります。
    ビーチ・ボーイズの曲名からとった『ダンス・ダンス・ダンス』というタイトルの長編もあるぐらいですしね。

  2. フー太郎 より:

    村上春樹も大好き
    村上春樹のお気に入りのミュージシャンの中にレディオヘッドやウィルコと共にビーチボーイズも入っていた気がします。ビートルズがプロデューサーを含めて全員でアイデアを出し合って共同作業をしていたのに対し、ビーチボーイズはブライアン一人の悪い意味で言えばワンマンな気がしないでもないです。他のメンバーは嫌でもなさそうでしたが。