エリック・クラプトン/コカイン(1977)

Slowhand / 2012 Remastere

【カバーの快楽】
Eric Clapton – Cocaine (J.J.Cale)

エリック・クラプトンの77年のアルバム『スローハンド(Slowhand)』のオープニング・トラック。ギター・リフがカッコいい、12小節のシンプルなブルースだ。

オクラホマ出身のシンガー・ソング・ライター、J.J.ケイルの1976年のアルバム『トルバドール』収録曲で、クラプトンがカバーして世界的に有名になった曲だ。最初から終わりまで、コカインを礼賛する歌詞なので、変態の歌である(わたしはドラッグが大嫌い。でも世界中にいろんな変態が存在するのはたしかだ。わたしもまたべつの種類の変態でないとも限らない)。

クラプトンは自身のソロ・デビュー・シングルでもJ.J.ケイル作の「アフター・ミッドナイト」をカバーしているし、その後も度々彼の曲をカバーしたり、いかにもケイル風の曲を書いたりしている。そして、クラプトン自身「影響を受けたアーティストを1人挙げるなら、J.J.ケイルだ」と公言しているほどだ。

J.J.ケイルは、米南部のルーツ・ミュージックの香りを漂わせながらも、都会的な洗練された作風の職人的ソングライターだった。華やかなスポットライトを浴びることを嫌い、隠遁生活をしながら、40年で14枚のアルバムを発表した。そして2013年に74歳でこの世を去った。

彼の音楽を愛するアーティストは多いが、中でもクラプトンはその筆頭で、何度もライブで共演し、ケイルの晩年には一緒にコラボ・アルバムも製作している。

↓ J.J.ケイルのオリジナル。

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