マニック・ストリート・プリーチャーズ「享楽都市の孤独」(1992)

ジェネレーション・テロリスト-20周年記念デラックス・エディション-(初回生産限定盤)(DVD付)

【90年代ロックの快楽】
Manic Street Preachers – Motorcycle Emptiness

マニック・ストリート・プリーチャーズはそのデビュー当時、「1stアルバムで全世界で1位を取って解散する」などと宣言してそのビッグマウスが話題になったり、彼らの悪ぶった破天荒な言動に賛否両論があったり、結局1位を獲れなくて解散撤回宣言をしたりと話題に事欠かず、当時の音楽誌の見出しをにぎやかに飾ったものだった。今で言う、炎上商法の先駆けと言えるのかもしれない。

そんな狂騒も今から思えば、ほんとにこの世の中となんの関係もない、ほとんどの人にはどうでもいい、若者向け音楽誌の中だけの「アツい」出来事だったんだなあ、とあらためて思う。
まあ音楽誌がにぎやかなのはいいことだ。

でも当時のわたしはそういう悪ぶりっこみたいなノリが嫌いだったし、1stアルバムの『ジェネレーション・テロリスト』なんていう大仰なタイトルも含めて、アホらしいなあと思って興味を示さなかったのだけど、このセンチメンタルな曲を偶然耳にして、なんだ可愛いとこあるじゃないか、本当はテロリストじゃないんだな、なんてそのギャップに少し好感を覚えたものだった。
あ。もしかしてこれも、今で言うギャップ商法だったのかな。

その後、彼らの破天荒なイメージを最も体現したギタリストのリッチーが失踪して行方不明になり、3人だけになって見た目もいくぶん地味になってからは逆に実力を出し始めて、アルバムを出すたびに評価がうなぎ上りとなり、一時はイギリスを代表するロックバンドの地位にまで登り詰めたものだった。

写真右端のジェームス=ディーン・ブラッドフィールドが曲を書いて、ギターを弾いて歌うという孤軍奮闘バンドだけれども、破天荒なバンドのイメージと裏腹に、いちばん地味な見た目の彼には、真面目で音楽の才能があったのだ。

デビュー当時の彼らにもどこか、B級グラムロックみたいな趣があった。
まあ大人たちはいろいろ嗤うかもしれないけど、これはこれで少年少女たちの胸を熱くさせた、感傷的で青春的なステキな曲である。

記事を書いた人(Goro)

愛知県在住。中学卒業後、無知蒙昧のまま社会にさ迷い出て、底辺職を転々した後、地元の映画館に拾われる。映画館に10年勤めた後、レンタルビデオチェーンのバイヤーを20年勤め、現在は再び底辺職で肉体労働の日々に返り咲く。心に平安が訪れている。生活に不満はなし。音楽にはいろいろと救われている。「映画は映画館で観なきゃダメ派」ではない。

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コメント

  1. ゴロー より:

    ですね
    横浜なんですね。東京だとばっかり思っていました。

    そういえば名盤と名高い『ホーリー・バイブル』は聴いたことなかったなあ。
    後でapple musicで聴いてみます。

  2. フェイク・アニ より:

    青春の一曲でした
    そう!青春の一曲でしたよっ。
    この曲のPVは日本で撮影してるんだけど、たまたま横浜に行ったとき曲中で映っている観覧車を発見して乗っちゃったくらいミーハーなファンでした(笑)。
    初来日のライブも行ったなぁ。
    もし興味があったら『ホーリー・バイブル』ってアルバムもおすすめ。
    彼らが英国代表になった傑作です。