クーラ・シェイカー/ヘイ・デュード(1995)

K

【90年代ロックの快楽】
Kula Shaker – Hey Dude

オアシスとブラー以外は小粒な感じのバンドがほとんどだったブリット・ポップ勢の中から、その独特なグルーヴ感で頭ひとつ抜けていたのがクーラ・シェイカーだった。

ギターを中心にしたその疾走感のあるグルーヴは思わず「おおっ」と言わせるフックを持っていた。

中心人物のクリスピアン・ミルズは、インド文化や東洋哲学に傾倒している仏教徒で、クーラ・シェイカーという名前も9世紀のインドの王の名前に由来しているそうだ。

音楽にもインド音楽の要素が取り入れられ、それが独特のグルーヴ感を生んでいる一因でもある。全体的にはビートルズなどの60年代のサイケデリック・ロックに強いビートを加えたようなイメージだ。

1stアルバム『K』は全英1位に輝き、日本でもなんとオリコン13位という大ヒットとなった。

クーラ・シェイカーはわずか3年で解散してしまうが、その後2006年に再結成してフジ・ロックに出演すると、イギリスよりも日本で人気が再燃し、再結成後の3rdアルバムは、本国よりも日本でのほうが売れるという不思議なバンドになった。

なんだろう、仏教徒の血が騒ぐ「仏教グルーヴ」みたいなものがあるのだろうか。