オーシャン・カラー・シーン/ザ・リヴァーボート・ソング(1996)

Moseley Shoals [12 inch Analog]

【ブリット・ポップの快楽】
Ocean Colour Scene – The Riverboat Song

英バーミンガム出身のオーシャン・カラー・シーンは、1992年に1stアルバムをリリースしたもののまったく売れず、レーベルに対して莫大な借金を背負ったそうな(売れなかったからといってアーティストが借金を背負うなんて話はあんまり聞かんけどなあ?)。

それから4年間は、彼らを支援するポール・ウェラーやオアシスのツアーに参加して糊口をしのぎ、1996年にようやく2ndアルバムをリリースすると、これがブリット・ポップ・ブーム真っただ中というタイミングもよかったのか、全英2位の大ヒットとなり、劇的な復活を遂げたのだった。

この大ヒットは、アルバムのオープニング・トラックであるこの「ザ・リヴァーボート・ソング」を気に入ったBBCラジオのDJが、繰り返しオンエアしたことがきっかけだったという。シングルとしても全英15位のヒットとなり、これをきっかけに彼らはヒットを連発することになる。

当時のわたしは残念なことに、彼らのことは知ってはいたのだけどなぜか傍を素通りしてしまった。四半世紀後の今になってようやくちゃんと聴いて、今はそのときのBBCのDJとたぶん同じ気持ちだろう。

なんてカッコいい曲だろう。こんなバンドがいたとは!

まるで60年代末頃のブリティッシュ・ロックを思わせる、ブリット・ポップを賑わせた若いドングリやタケノコたちとはちょっと次元の違うカッコ良さだ。