日本にザ・ドリフターズという偉大なスーパー・グループがいたことは日本人なら知らない者はいまいが、あれほど偉大ではないけれども、アメリカにもドリフターズは存在する。
1953年にニューヨークで結成されたR&Bコーラス・グループのドリフターズは、トータル60人以上ものメンバーを入れ替えながら、現在も活動を続けている。
中でも最も有名なメンバーは脱退後にソロで「スタンド・バイ・ミー」が大ヒットした、ベン・E・キングだろう。
ちょうど彼がリード・ヴォーカルとして加入した1958年からドリフターズはヒット曲を連発し、黄金期を迎える。ベン・E・キングは2年ほどで脱退したが、その後1965年頃までドリフターズはヒット曲を量産した。
ちょうど黒人音楽がドゥー・ワップからソウルへと変わりつつある時代に彼らはうまく順応したのだ。
斬新なストリングスのアレンジやリズムの工夫などで可能性を拓き、後に続くコーラス・グループの手本ともなった、R&B史上の最重要グループのひとつだ。
以下はわたしがお薦めする、最初に聴くべきドリフターズの至極の名曲5選です。
There Goes My Baby
ベン・E・キング、ラヴァー・パターソン、ジョージ・トレドウェルによって書かれた曲。
前年にマネージャーのトレドウェルによってメンバーが全入れ替えされ(なにかよほど腹に据えかねることでもあったのだろうな)、新リード・ヴォーカリストにベン・E・キングを迎えてリリースした最初のシングルだった。
いきなり全米2位という彼らにとって初めての大ヒットとなり、ここからドリフターズの黄金期がスタートした。
Save the Last Dance for Me
ドク・ポーマスとモルト・シューマンのコンビによって書かれた曲で、リード・ヴォーカルはベン・E・キング。
全米1位の大ヒットとなった、世界的に有名なドリフターズの代表曲だ。日本では越路吹雪が日本語で歌い、これも大ヒットしている。
This Magic Moment
これもポーマス&シューマンによって書かれ、リード・ヴォーカルはベン・E・キング。全米16位のヒットとなった。
派手なストリングスのアレンジが印象的で、彼らの中でも特にポップな曲のひとつだ。
Up on the Roof
当時弱冠二十歳の天才キャロル・キング(作曲)とジェリー・ゴフィン(作詞)の夫婦コンビによって書かれた曲。リード・ヴォーカルはルディ・ルイス。全米5位の大ヒットとなった。
「都会の生活に疲れてしまうと僕は屋根の上に上って街を見下ろし、悩みを忘れるんだ。君もくじけそうになったらやってみないか?」と歌う歌だ。
Under the Boardwalk
ケニー・ヤングとアーティ・レスニックによって書かれジョニー・ムーアとチャーリー・トーマスがリード・ヴォーカルを取っている。全米4位の大ヒットとなり、翌年には早速ローリング・ストーンズがカバーしている。
「ボードウォーク」とは海岸に突き出た木製の桟橋のことらしい。
暑い夏の真っ盛り「太陽から隠れてボードウォークの下で、誰かの足音を聞きながらメイキング・ラヴしちゃおうよ」という大胆な歌だ。
選んだ5曲を続けて聴けるYouTubeプレイリストを作成しましたので、ご利用ください。
♪プレイリスト⇒はじめてのドリフターズ【必聴名曲5選】はこちら
また、apple musicのプレイリストとしても作成済みです。
apple musicをご利用の方はこちらのリンクからプレイリストにジャンプできます。
はじめてのドリフターズ【必聴名曲5選】5 The Drifters Songs to Listen to First (goromusic.com)
ぜひお楽しみください。
入門用にドリフターズのアルバムを最初に聴くなら、『An Introduction To The Drifters』がお薦め。ここに選んだ5曲はもちろん、最初に聴くべき代表曲はすべて網羅されています。
(by goro)