黄金期の隠れた名曲の数々が蘇るマニアックな選曲【ストーンズの60年を聴き倒す】#60

Voodoo Lounge Uncut (2CD+Blu-Ray)

『ヴードゥー・ラウンジ・アンカット』(2018)

“Voodoo Lounge Uncut”(2018)

The Rolling Stones

本作は、1995年にVHSビデオでリリースされた『ブードゥー・ラウンジ・ライヴ』と同じ音源で、2018年11月にBlu-rayとCDのセットで再発売されたものだ。ブードゥー・ラウンジ・ツアー中の1994年11月25日にフロリダ州マイアミのハード・ロック・スタジアムで行われたライヴの模様を収録している。

『ブードゥー・ラウンジ』からは4曲が披露されているが(「ラヴ・イズ・ストロング」を演っていないのはやっぱりアメリカで全然売れなかったからだろうか)、オープニングナンバーが、ストーンズが最初期によくライヴのオープニングで演奏した「ノット・フェイド・アウェイ」から始まることが象徴するように、何十年もライヴで演奏されていなかったであろう60〜70年代のマニアックな楽曲が多く演奏されているのが嬉しい。

  1. Not Fade Away
  2. Tumbling Dice
  3. You Got Me Rocking
  4. Rocks Off
  5. Sparks Will Fly
  6. Live With Me(ft.シェリル・クロウ)
  7. (I Can’t Get No) Satisfaction
  8. Beast of Burden
  9. Angie
  10. Dead Flowers
  11. Sweet Virginia
  12. Doo Doo Doo Doo Doo
  13. It’s All Over Now
  14. Stop Breaking Down(ft.ロバート・クレイ)
  15. Who Do You Love(ft.ボ・ディドリー)
  16. I Go Wild
  17. Miss You
  18. Honky Tonk Women
  19. Before They Make Me Run
  20. The Worst
  21. Sympathy for the Devil
  22. Monkey Man
  23. Street Fighting Man
  24. Start Me Up
  25. It’s Only Rock’n Roll
  26. Brown Sugar
  27. Jumpin’ Jack Flash

9〜11の、アコースティックギターに持ち替えて演奏するコーナーがあるのは、この次のアルバム『ストリップト』に収録するためでもあったようだ。

キースのギターも、以前のひしゃげたようなノイジーな音から、歪ませずに硬質な音で弾かれることが多くなり、ベーシストも交替したせいかサウンドの印象がスティール・ホイールズ・ツアーとは随分違う。演奏もストーンズらしいラフなものに戻りつつある。

そしてまたしてもゲストがいろいろ出てくる。冒頭のウーピー・ゴールドバーグのMCなんてまったく収録しなくてよかっただろうし、シェリル・クロウは嫌いなアーティストではないのだけど「リヴ・ウィズ・ミー」はあまり上手くいってるとは思えない。

しかしストーンズにとっては師匠格のボ・ディドリー先生はもう有り難く拝聴するしかないだろう。ロバート・クレイもまあ良い選曲なので許そう。

(Goro)

シェアする

  • このエントリーをはてなブックマークに追加

フォローする