No.054 トム・ウェイツ/グレープ・フルーツ・ムーン (1973)

Closing Time
≪オールタイム・グレイテスト・ソング 500≫ その54
Tom Waits – Grapefruit Moon

わたしにとっては、ルー・リード、レナード・コーエンと共に、《夜の歌》を唄う三大ミッドナイトアーティストのひとりだ。

この曲は彼の1stアルバム『クロージング・タイム』に収録された曲だ。
このアルバムはあまり売れなかったらしいが、名曲が何曲も詰まった素晴らしいアルバムだ。
ひっそりとでいいので、ずっと聴き継がれてほしいものだ。

わたしは昔からこの歌がとても好きだ。
できれば少し酔っぱらって、窓から月でも眺めながら聴きたいものだ。

トム・ウェイツの歌を聴いていると、退屈と閉塞感以外になにも無いようなアメリカの田舎町で、さえない生涯をほどほどにまっとうして消えていく「ふつうの人々」の姿を想い浮かべてしまう。
わたしもまた、トーキョーにもニューヨークにもパリにもとくになんの興味もわかないし、このままこの地方都市で、ほどほどの喜怒哀楽とともに生涯をまっとうするだろう。

全国チェーンのお店が国道の両側に並ぶだけの、どこにでもある地方の町と、そこに住む人々の暮らしにわたしは興味やシンパシーを感じる。
ブルース・スプリングスティーンの歌もそんな「ふつうの人々」の人生を描いているのが好きだし、映画なら洋画でも邦画でも、ただ地方の町が舞台だというだけでついつい惹かれて見てしまったりする。

記事を書いた人(Goro)

愛知県在住。中学卒業後、無知蒙昧のまま社会にさ迷い出て、底辺職を転々した後、地元の映画館に拾われる。映画館に10年勤めた後、レンタルビデオチェーンのバイヤーを20年勤め、現在は再び底辺職で肉体労働の日々に返り咲く。心に平安が訪れている。生活に不満はなし。音楽にはいろいろと救われている。「映画は映画館で観なきゃダメ派」ではない。

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