トム・ウェイツ/オール55 (1973)

Closing Time (Remastered)
≪オールタイム・グレイテスト・ソング 500≫ その151
Tom Waits – Ol’ 55

トム・ウェイツの2曲目も、彼のデビュー・アルバム『クロージング・タイム』から。
この曲は彼の1stシングルでもある。
「オール55」とは、1955年型の古い車、という意味で、実際にトム・ウェイツが乗っていた、55年型ビュイック・ロードマスターのことだそうだ。
彼は古い車が好きで、これを手に入れたことがすごくうれしかったらしい。

まるでジジイがノスタルジーに浸ってるような曲だが、トム・ウェイツはこの当時たったの23歳だ。
彼は16歳で高校を中退してピザ屋で働きながら曲を書き始めたそうだが、当時流行のロックには興味がなく、ブルースやフォーク、ジャズなどに傾倒していた。
見た目も声も音楽も、そして車の趣味まで、ずいぶんと老けた23歳だなあと思う。
だから信用できるのだけど。

夜明けの道をドライブするときにこれ以上ピッタリな曲もない。
彼の多くの名曲と同じように、人生の苦さやせつなさとささやかな幸福感がいっしょになってじんわりこみあげてくるような、油断してると説明しにくい謎の涙も一緒にこみあげてくるような、そんな歌だ。

記事を書いた人(Goro)

愛知県在住。中学卒業後、無知蒙昧のまま社会にさ迷い出て、底辺職を転々した後、地元の映画館に拾われる。映画館に10年勤めた後、レンタルビデオチェーンのバイヤーを20年勤め、現在は再び底辺職で肉体労働の日々に返り咲く。心に平安が訪れている。生活に不満はなし。音楽にはいろいろと救われている。「映画は映画館で観なきゃダメ派」ではない。

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