No.129 ザ・ドアーズ/ブレイク・オン・スルー (1967)

ハートに火をつけて(50thアニヴァーサリー・デラックス・ジャパニーズ・エディション)<SHM-CD>
≪オールタイム・グレイテスト・ソング 500≫ その129
The Doors – Break On Through (To The Other Side)

ドアーズのデビュー・シングルだ。
全然ヒットしなかったようだけど、わたしはドアーズでいちばん最初に好きになった曲だった。

この曲から始まる1stアルバムは凄かった。夜しか聴けなかった。
なぜなら、1stアルバムとしては異常に完成度が高いのが突然変異の怪物のようであり、内容は背徳的であり、ベース不在のサウンドは畸形的であり、フロントマンは知性を持った悪の化身であり、全体的にエロであり、ポップなのにそこはかとなくグロでもあるのだ。
昼間っから聴くものではない。

不穏なイントロで始まるこの曲は「向こう側へ突き抜けろ!」と歌う、あからさまなドラッグ・ソングだ。
あの時代だからよかったけれど、今同じような歌を日本のアーティストが歌ったら、ネットでくだらない正論を浴びせられ、ワイドショーで叩かれ、活動停止に追い込まれ、損害賠償請求をされるハメになる。

イヤな世の中になったものだ。

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