ザ・キュアー/ハロー・アイ・ラヴ・ユー(1990)

ルバイヤート(エレクトラ40周

【カバーの快楽】
The Cure – Hello I love you

かつてドアーズやジョニ・ミッチェル、ストゥージズ、MC5、テレヴィジョン、メタリカ、ピクシーズなどが在籍したエレクトラ・レーベルの創立40周年記念として、エレクトラから生まれた名曲の数々を当時在籍していたアーティストたちがカバーした、企画CD『ルバイヤート』。

そのオープニングに収められた、ザ・キュアーによる、ドアーズの1968年のヒット曲のカバーだ。

このCDが発売された1990年当時は、トリビュート・アルバムやカバー企画アルバムがちょっとしたブームみたいになっていた頃で、このアルバムも大いに話題になったものだった。

シンセサイザーやパシャパシャしたドラム、ダンスビートなどで、景気のいい時代にふさわしい華やかなサウンドだった80年代ロックの時代が終わり、再びロックの原点に還るように、ラフでラウドなギター・ロックが「オルタナティヴ・ロック」として新しい世代に支持され始めていた頃で、このキュアーのカバーもそんな時代の流れに呼応するように、シンセを封印し、ノイジーでラウドなギター・ロックになっている。

ギターはまるっきりキンクスの「オール・オブ・ザ・ナイト(All Day and All of the Night)」だけれども。
人によっては、ドアーズの原曲よりもカッコいいと思うかもしれない。

それにしても、キュアーとドアーズの組み合わせはすごくしっくりくる。

ドアーズはダークで耽美的なロックの元祖だったし、キュアーのようなゴス系ロックの源流とも言える。

そういう、ちょっと暗いところも魅力の、アート系ロックの系譜を育ててきたレーベルとも言えるだろうな、エレクトラは。

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