≪オールタイム・グレイテスト・ソング 500≫ その354
The Stranglers – no more heroes
驚くべきことに、ストラングラーズは現在も現役であり、これまでに18枚のアルバムを発表している。
彼らもまた70年代イギリスのパンクムーヴメントの真っただ中にデビューしたバンドだったが、今ではピストルズやクラッシュ、ジャムなどと比べると知名度の低い、ややマニアックなバンドのイメージだ。
しかし本国では彼らはパンク・ロックというよりニューウェイヴの先駆者と捉えられ、80年代に入ってからも人気は続き、シングルもアルバムもそのほとんどがチャートに入るほど売れ続けていたそうだ。
そういう意味では、あの時代に出てきたイギリスのバンドの中では、結局最も成功したバンドなのかもしれない。
70年代英国パンクのひとつといっても少し毛色が違うのは、ドアーズみたいなキーボードが入っていることだ。
そして同期のパンクバンドに比べて、どことなく若々しさが無くて、キレが悪く感じるのも、彼らが二十代後半でデビューしたインテリ連中だからだろう。
インテリなんてやっぱりどうしてもダサいおしゃれじゃないので、クールやプリティでは結局ヴェイカントな連中にはかなわないのである。
でもダサいおしゃれじゃないのも個性だ。味のうちである。
三色ふりかけだって、いつもは「のりたま」や「たらこ」ばかりかけていても、たまには「ごましお」もかけたくなるものだ。そして最後には「ごましお」が残るのである。
うーん。
ちょっと例えが複雑すぎたかもしれないが、要するに、ロックにだっていろんな味があっていいのだ、ということである。
「ヒーローなんてもういらない!」と歌うこの曲は、彼らの4枚目のシングルで、全英8位まで上がった、初期の代表曲だ。
ストラングラーズは、ギタリスト以外は現在もオリジナル・メンバーのまま、活動を続けている。