No.451 ボブ・マーリィ&ザ・ウェイラーズ/アイ・ショット・ザ・シェリフ (1973)

バーニン+3
≪オールタイム・グレイテスト・ソング 500≫ その451
The Wailers – I Shot the Sheriff

ザ・ウェイラーズは最初、ボブ・マーリィ、ピーター・トッシュ、バニー・ウェイラーの3人によるコーラス・グループとしてジャマイカでデビューした。
この曲はメジャー・デビュー2作目『バーニン』の収録曲だが、このアルバムを最後にトッシュとウェイラーが抜けて、ボブ・マーリィとリズム隊と女性コーラスという編成に変わり、グループ名もボブ・マーリィ&ザ・ウェイラーズに変わった。

もちろんボブ・マーリィが書いた曲だが、これを翌年にエリック・クラプトンがカバーして『461オーシャン・ブールヴァード』に収録、そしてシングルカットすると全米1位の大ヒットとなった。
おかげでカリブ海の小国、ジャマイカの音楽”レゲエ”とボブ・マーリィの名前が衝撃と共に世界的に広まることになる。
エリック・クラプトンの、ボブ・マーリィとレゲエを世界的に広めた功績を、心から讃えたい。

わたしもこのクラプトン・バージョンが、ボブ・マーリィの音楽との出会いだった。
クラプトンのほうはいかにもロック的な感じだけど、ウェイラーズのオリジナルはもうその歌詞の通り、ギャングたちの暴力的な日常そのもののような、ゴリゴリの野蛮なサウンドだった。

もともとは「I Shot the Police (おれは警官を撃った)」というタイトルだったらしいのだけど、それではあまりに生々しすぎるということで”Sheriff(保安官)”に変更されたそうだ。
それでもタイトルのインパクトは強烈だし、保安官を撃ったことを歌にするヤツらの国っていったいどんな国なんだ、と思ったものだった。

独特のリズムとグルーヴは強烈に野生の匂いがするものの、メロディは欧米のR&B風でもあり、鮮烈で刺激的なサウンドとわかりやすい歌が両方揃っていたのが他の国でも受け入れられた理由ではないか。

70年代の英米のロックは成熟していく過程で商業的になっていったり、アートのように高尚で複雑化していった頃で、かつてのように、フラストレーションの溜まったバカな若者たちがシンプルに共感できる音楽ではなくなりつつあったが、それがこのレゲエにはまだ生々しいかたちで残されていたのだ。

英国にはジャマイカ人も多く住んでいたことから、白人へのレゲエの浸透も早く、パンクロックとこのレゲエが、英国で暴発寸前だった若者たちを一気に燃え上がらせたのだった。

記事を書いた人(Goro)

愛知県在住。中学卒業後、無知蒙昧のまま社会にさ迷い出て、底辺職を転々した後、地元の映画館に拾われる。映画館に10年勤めた後、レンタルビデオチェーンのバイヤーを20年勤め、現在は再び底辺職で肉体労働の日々に返り咲く。心に平安が訪れている。生活に不満はなし。音楽にはいろいろと救われている。「映画は映画館で観なきゃダメ派」ではない。

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