ジョニー・キャッシュ&ジョー・ストラマー/リデンプション・ソング(2003)

Unearthed

【コラボの快楽】
Johnny Cash & Joe Strummer – Redemption Song (Bob Marley song)

ジョニー・キャッシュとジョー・ストラマーがボブ・マーリィの名曲を歌うという、アメリカ、イギリス、ジャマイカの、3人のカリスマが運命に導かれて一堂に会したような、奇跡のコラボだ。
この奇跡を導いたのもまたリック・ルービンで、彼の自宅で録音された。

「リデンプション・ソング」は1980年に発表されたボブ・マーリィの最後のアルバム『アップ・ライジング』を締めくくるエンディング・ナンバーだ。この翌年にボブ・マーリィは脳腫瘍のために世を去った。
その歌詞も含めて、この曲はボブ・マーリィがこの世との別れに遺した「白鳥の歌」と言えるだろう。

そして2002年、憧れのジョニー・キャッシュとこの曲を録音したジョー・ストラマーは、その年、心臓疾患のために世を去った。さらに翌年にはジョニー・キャッシュもこの世を去ることになる。
まるで、カリスマたちの最後の宴のようだ。

わたしが歌ってきたのはすべて
自由を求める歌だった
一緒に歌ってくれないか
なぜならわたしが歌ってきたのは
すべて償いの歌なんだ

(written by Bob Marley)

それぞれの人生の終わりに、ジョニーとジョーが出会い、これを歌うことになったのは、まるで神様の計らいのようにも思える。

自分より早くあの世へ旅立ったジョー・ストラマーに、ジョニー・キャッシュは短いコメントを送った。

「ジョーは素晴らしくいい奴で、優れたミュージシャンだった」

翌年には天国で、ジョニーとジョー、そしてボブ・マーリィの3人によるにぎやかなセッションが行われたことだろう。

↓ボブ・マーリィのオリジナル。