ザ・クランベリーズ【名曲ベスト5】The Cranberries Greatest 5 Songs

Stars - The Best Of 1992-2002 by The Cranberries (2002-09-16)

ザ・クランベリーズは、1992年にシングル「ドリームス」でデビューした、アイルランド出身のバンドだ。

ちょうど90年代ロック・ムーヴメントの真っただ中で、その上質なポップ・センスと、必要に応じてラウドにもメロウにもなれるバンド・サウンドは、当時のシーンにぴったりのバンドだった。
そして、そのうえで彼らを頭ひとつ抜けた個性的な存在にしたのは、女性ヴォーカル、ドロレス・オリオーダンの、特別な声だった。

彼女の声は近代音楽の平均律からはみだすほどに野性的で、力強く、美しいが、あまりに強烈すぎて、幻のようでもある。

デビュー・シングル「ドリームス」がいきなり世界的な注目を浴びると、その後もヒットを連発したが、人気絶頂の1996年には、忙しすぎたあまり、過労のドロレスにドクター・ストップがかかり、2年間の活動休止となった。

その後は活動再開と休止を繰り返しながらマイペースに活動したが、2018年1月、ドロレスは宿泊先のホテルで泥酔し、浴室で溺死しているのが発見された。まだ46歳の、あまりに早すぎる死だった。

以下は、わたしが愛するザ・クランベリーズの至極の名曲ベスト5です。

第5位 ドリームス(1992)
Dreams

クランベリーズのデビュー・シングルで、日本では最も広く知られた曲だ。

ウォン・カーウァイ監督の香港映画『恋する惑星』の主題歌として、主演のフェイ・ウォンが「夢中人」としてカバーし、また、日本では松嶋菜々子が出演したキリンの生茶のCMにも使用された。

後のクランベリーズのような毒や激しさはなく、そのタイトル通り、浮遊感のあるドリーミーな曲だ。

「ドリームス」の過去記事はこちら

第4位 サルヴェーション(1996)
Salvation

3rdアルバム『トゥ・ザ・フェイスフル・ディパーテッド – 追憶と旅立ち(To the Faithful Departed)』からのシングルで、全英13位、米オルタナ・チャート1位。

最初から最後まで一瞬たりとも歌うのをやめないドロレスのドSキャラが炸裂したような、疾走感のあるハードな曲だ。
鞭で引っぱたかれるような、ピシッ、ピシッという音がまたゾクゾクさせる。

「サルヴェーション」の過去記事はこちら

第3位 ジャスト・マイ・イマジネーション(1999)
Just My Imagination

4thアルバム『ベリー・ザ・ハチェット(Bury the Hatchet)』からのシングル。

夢見る少女のようだったり、SMの女王様のようだったり、革命戦士のようだったりと、変幻自在の声を持つドロレスが、素に戻って地元の親友に語り掛けるような楽し気な声で歌う、明るい曲調の歌。
こんな肩の力が抜けたドロレスの声もまた、素晴らしく魅力的だ。

「ジャスト・マイ・イマジネーション」の過去記事はこちら

第2位 リンガー(1993)
Linger

彼らの2ndシングルで、全英14位、米オルタナ・チャート4位と、アメリカでも知られるきっかけとなった曲。

結成前、ヴォーカリストを探していたクランベリーズに、友人の紹介でドロレスがオーディションを受け、まだ歌詞のない曲に詞をつけてみてくれと頼まれ、一晩で書いたのがこの「リンガー」だった。

「リンガー」の過去記事はこちら

第1位 ゾンビ(1994)
Zombie

2ndアルバム『ノー・ニード・トゥ・アーギュ(No Need to Argue)』からのシングルで、全英14位、米オルタナ・チャート1位となった、彼らの代表曲。

北アイルランド戦争を題材にした、美しくも激烈な曲。
ドロレスの、唸りをあげる激しいヴォーカルが凄まじい。

「ゾンビ」の過去記事はこちら

入門用にザ・クランベリーズのアルバムを最初に聴くなら、『スターズ:ザ・ベスト・オブ・クランベリーズ 1992-2002』がお薦めだ。最初に聴くべき代表曲はすべて網羅されている。

選んだ5曲がぶっ続けで聴けるまとめ動画集をYouTubeで作成しました。

↓まとめ動画集

ぜひお楽しみください。

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コメント

  1. みぃ より:

    クランベリーズを好きになって二十年、久しぶりに聴いたけれど、色褪せてなかった。
    私も大好きです。声が大好きです。
    ドロレスのご冥福をお祈りします。

    • Goro より:

      コメントありがとうございます!

      わたしもドロレスのあのちょっと裏返ったりする独特の歌声が大好きです。
      激しい情念が溢れ出るような声もあれば、穏やかで希望に満ちた声もあり、聴き手の魂を震わすような唯一無比の歌声だと思います。