No.138 キャロル・キング/イッツ・トゥー・レイト (1971)

TAPESTRY
≪オールタイム・グレイテスト・ソング 500≫ その138
Carole King – It’s Too Late

ニューヨーク州ブルックリンで生まれたキャロル・キングは16歳で歌手としてデビューするものの鳴かず飛ばずだった。
しかしやがてソングライターの才能を発揮して、リトル・エヴァの「ロコ・モーション」やシフォンズの「ワン・ファイン・デイ」などを20歳そこそこで書いて大ヒットを連発した。
早熟の天才である。

70年代に入るとシンガー・ソング・ライターとして活動し始め、71年にはこの曲が収録された名盤『つづれおり』を発表する。
「イッツ・トー・レイト」は5週連続で全米1位、アルバムはなんと15週連続で1位という特大ホームランとなり、キャロル・キングは女性シンガー・ソングライターの草分け的存在となった。

日本でも五輪真弓が初期の何枚かのアルバム制作をサポートしてもらっているし、他にも影響を受けている女性シンガーソングライターは多いと思う。

彼女は凄く歌が上手いというわけではないけれど、彼女の声には大歌手ともアイドルとも違う、等身大のアラサー女性(当時29歳だった)の魅力があった。
ソングライティングの素晴らしさがヒットにつながったのはもちろんだけど、飾り気のないプライベートショットのようなアルバムジャケットに象徴されるような、スーパーエンタテイナーでもなく、アイドルでもなく、ロックスターでもない、歌詞の通り偽りのない「ふつうの女性」が日常生活の延長のように歌う音楽が、性別問わず幅広く支持されたのだと思う。

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