RCサクセション/スロー・バラード(1975)

シングル・マン+4

【ニッポンの名曲】#25
作詞・作曲:忌野清志郎・みかん

RCサクセションの3rdアルバムで、超のつく名盤『シングル・マン』に収録された名曲。
わたしは世界中のバラードの名曲を100万曲ぐらいは聴いているが、この曲以上のものを知らない。

昨日は車の中で寝た
あの子と手をつないで
市営グラウンドの駐車場
ふたりで毛布にくるまって

カー・ラジオからスロー・バラード
夜露が窓をつつんで
悪い予感のかけらもないさ

あの子の寝言をきいたよ
ほんとさ、たしかに聴いたんだ
(スロー・バラード/作詞・作曲:忌野清志郎・みかん)

この歌詞に描かれた情景は、まるで自分がその昔に経験したことのように、わたしにとって永遠に色褪せない記憶となってしまった。
このまったく動くもののない美しいモノクロ・フィルムような情景は、深い哀しみと深い幸福が同居しているようで、深く感情を揺さぶる。

そしてエンディングの、ドクトル梅津による魂のサキソフォンの、慟哭と嗚咽のような音色に胸が震える。

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