作詞・作曲:忌野清志郎、G1,238,471
わたしは14歳の時にラジオでこの「トランジスタ・ラジオ」を聴いて、衝撃を受けた。
なんて声だ。
なんて歌詞だ。
なんてカッコいい曲だ。
雑誌で見る、彼らの見た目もカッコ良かった。
ザ・ベストテンに出てくる「ロック風歌謡曲」のバンドではなくて、本物のロックバンドらしいクールでアブない迫力に、シビれた。
アルバム『ラプソディー』『PLEASE』を聴いて、ますます好きになった。
忌野清志郎は、ユーモアとリアリティのある美しい歌詞を書いていた。
それをグッとくるメロディに乗せて、誰にも真似のできない声で、感情を炸裂させながら唄った。
RCサクセションでわたしが今でもいちばん好きな曲がこの「トランジスタ・ラジオ」だ。
素晴らしい歌詞、素晴らしい曲。奇跡のような名曲だと思う。
文学でも映画でも表現できない、ポップソングにしか表現できない「うまく言えない」気持ちを絶妙に表現している。
久しぶりに、清志郎が元気に歌っているのを動画で見ると、今でもなにか、込み上げてくるものがある。
この歌に描かれた情景は、まるで自分の記憶の中の思い出のようにくっきりと浮かび上がる。
わたしは中学生のとき以来、今に至るまで「うまく言えない、こんな気持ち」を忘れられないまま現在に至るから、こんなブログを書いているのかもしれない。
それまではずっと『ザ・ベストテン』を楽しみにして、その順位を毎週几帳面にノートに書きつけていたものだけど、RCサクセションを聴いたあたりから、だんだん歌謡曲もロック風歌謡曲も聴かなくなり、少し時代を遡って、ニッポンのロックやフォークを聴くようになった。
そのあたりからわたしの人生は狂いだしたのだと思う。
ああ。
しまったなあ。
つづく。