ドクター・フィールグッド/ゴーイング・バック・ホーム(1975)

不正療法

【パブ・ロックの快楽】
Dr Feelgood – Going Back Home

1stアルバムから9か月後に発表された、2ndアルバム『不正療法(Malpractice)』収録曲。
ウィルコ・ジョンソンと、彼が師と仰ぐジョニー&ザ・パイレーツのギタリスト、ミック・グリーンとの共作で書かれた曲だ。

1stはまるでパンクみたいな疾走感とキレ味が超絶カッコ良かったけど、この2ndはもう少しユルい、リラックスした印象だ。

でもこの映像を見ると、ライヴではやっぱりエッジが効いた緊張感みたいなものが出てきて、レコードよりもっとクソカッコいい。
ウィルコ・ジョンソンの斬鉄剣みたいなギターの切れ味は冴え渡り、リー・ブリローの何かにブチギレてるようなヴォーカルの怖いぐらいの凄み、さらにハーモニカを吹き出したときの、豹がインパラの首に噛みついてブルンブルン振り回すような凄絶なパフォーマンスに圧倒される。やはりこのバンドのライヴは特別だ。

こんなバンドがパブで演奏していた時代のロンドンは凄かったんだろうなあ。
まるで街中が火事になったみたいに音楽がメラメラと燃え上がり、熱くて眠れない若者たちが一晩中踊り狂っていたのかもしれない。

行ってみたかったなあ。