ルシンダ・ウィリアムス/キャント・レット・ゴー(1998)

Car Wheels on a Gravel Road

【女子ロックの快楽】
Lucinda Williams – Can’t Let Go

ルシンダ・ウィリアムズは米ルイジアナ出身、1979年に26歳でデビューした。デビュー・アルバムは、ブルースとカントリーのカバー・アルバムだった。

そしてヒット曲を出すこともなく、地道にインディーズで活動し、19年目の1998年にやっと5枚目のアルバム『カー・ホイール・オン・ア・グラヴェル・ロード』を発表すると、全米チャート65位ながら、グラミー賞「ベスト・コンテンポラリー・フォーク・アルバム賞」を受賞する。当時45歳の遅咲きである。

このアルバム・ジャケットがすごく好きだ。
そしてもちろん、中身がまた素晴らしい。シンプルでカッコいい佳曲が次から次に出てくる。これは名盤である。

この「キャント・レット・ゴー」は、そのアルバムからのシングルだ。

その作風は「オルタナ・カントリー」と呼ばれているが、それはもう、えらく損をしているように思える。
オルタナ・ファンからも相手にされず、カントリー・ファンからも敬遠されかねない。もうちょっとなんか良い言い方はないものか。

根っこはカントリーやフォークなどの伝統的な「アメリカーナ」だ。
そのうえ、良くも悪くも腐ってもアメリカの、その道路脇に根を下ろして生まれて来た、人工甘味料も化学添加物も一切ナシの、野性味のある音楽だ。

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