【映画】『ラ・バンバ』(1987 米)★★★★★

ラ★バンバ [DVD]

【音楽映画の快楽】
La Bamba

監督:ルイス・ヴァルデス
主演:ルー・ダイアモンド・フィリップス
音楽:カルロス・サンタナ、ロス・ロボス

【音楽映画の快楽】の1発目なので、わたしがこれまで見た中で、ロック・アーティストの伝記映画としては最高峰、星5つにふさわしいこの作品からいこう。

ロックンロール草創期、1958年にデビューして人気を博したアーティスト、リッチー・ヴァレンスの生涯を描いた作品だ。

監督の名前はまったく聞いたこともないし、これ以外の作品も知らないが、素晴らしく良く出来ているし、なにより音楽とアーティストに対するリスペクトが伝わってくるのがいい。

アーティストの伝記映画では、主人公はもちろん、同時代に活躍したアーティストたちを誰がどう演じるかというのにも興味を惹かれるものだ。

似てるに越したことはないのだけれど、このリッチー・ヴァレンスは見た目はまったく似ていない。
でもなにも問題ない。
そもそも本物のリッチー・ヴァレンスの顔がよくわからないのだ。

また、エディ・コクランや、バディ・ホリー、ジャッキー・ウィルソンなど、明らかに物語の本筋とは関係ないのに、そのパフォーマンスがたっぷりと丁寧に描かれているのが嬉しい。

特にブライアン・セッツァーのコクラン役は、見た目がそれほど似てるわけではないけれど、コクランをリスペクトしてやまないセッツァーに演じさせるという、坂本龍馬役を武田鉄矢にやらせるような、これ以上はないという配役だ。
似ているかどうかというより、情熱が溢れ出すような演技が見ていて嬉しいものだ。

高校生のリッチーがロックスターになっていくサクセス・ストーリーと、その兄ボブの、なにをやってもうまくいかないやさぐれた生活が、光と影のように対比される。むしろこの兄ボブの物語のようでもある。

リッチーがアーティストとして成功への階段を駆け上がる様もしっかり描きながら、その裏の現実もしっかり描かれている、アーティストの伝記映画としてこれ以上はないほどのお手本と言える傑作だ。
そして、何度見ても泣ける。

リッチーの歌と演奏はロス・ロボスが吹き替えで担当している。
リッチー・ヴァレンスと同じメキシコ系アメリカ人として、完璧にリッチーの音楽を再現(若しくはそれ以上)している。

記事を書いた人(Goro)

愛知県在住。中学卒業後、無知蒙昧のまま社会にさ迷い出て、底辺職を転々した後、地元の映画館に拾われる。映画館に10年勤めた後、レンタルビデオチェーンのバイヤーを20年勤め、現在は再び底辺職で肉体労働の日々に返り咲く。心に平安が訪れている。生活に不満はなし。音楽にはいろいろと救われている。「映画は映画館で観なきゃダメ派」ではない。

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