T.レックス/マンボ・サン(1971)

電気の武者+8

【70年代ロックの快楽】
T.Rex – Mambo Sun

songwriter : Marc Bolan

マーク・ボラン(ヴォーカル&ギター)とスティーヴ・トゥック(パーカッション)の2人組として1968年にデビューした英ロンドン出身のティラノサウルス・レックスは、4枚のアルバムを出したものの、もうひとつパッとしないままだったが、4人組のバンド、T.レックスとして再スタートすると、2枚目(通算6枚目)のアルバム『電気の武者(Electric Warrior)』で大ブレイクする。

日本でもオリコン・アルバムチャートで19位まで上がる大ヒットとなり、翌年には日本武道館で公演するほどの人気を得た。

その名盤『電気の武者』のオープニングを飾るのがこの曲だ。
この、パッと見は地味だけどつまんでみると意外に良い味の居酒屋のお通しみたいな、「おっ、この店は当たりだぞ」と確信できるようなオープニングだ。

アルバム全体を通して、声も楽器も加工が凄くて、はじめて聴いたときは非現実的なサウンドに聴こえた。でも派手過ぎず、不思議な浮遊感もあって、単純なのに妙に味わい深い。

初心者向きのコードが2つか3つ、歌メロも2つか3つのフレーズで、タイトルにも歌詞にもまったく意味が無くても、すべてがニセモノっぽくて中身がからっぽでも、それこそがT.レックスの唯一無比の魅力だ。

まるでもう、侘び寂びの世界みたいな。

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