マディ・ウォーターズ/フーチー・クーチー・マン(1954)

Hoochie Coochie Man [12 inch Analog]

【ブルースの快楽】
Muddy Waters – Hoochie Coochie Man

どうやら「Hoochie」というのが男性器で、「Coochie」というのが女性器のことらしい(goro調べ)。

「おれが生まれる前、ジプシーの女がおふくろにこう言った。生まれてくる赤ん坊はきっと、女という女を悶絶させる男になるよ、と。そうさ、このおれがそのフーチー・クーチー・マンだ」

そんなお下品極まりない内容で、タイトルはそのままマディの異名となった代表曲だ。

マディ・ウォーターズ・バンドのベーシストで、チェス・レコードの屋台骨を支えた名ソングライター、ウィリー・ディクスンの作である。
彼は元ヘヴィー級のボクサーだったそうだが、この曲もまさに、ブルース界のヘヴィー級チャンピオンみたいなド迫力の名曲だ。

また、この曲は初めてフルバンドで録音されたシカゴ・ブルースのクラシックなのだそうだ。

張りつめた緊張感の中で行う「だるまさんがころんだ」みたいな、半小節ずつ全合奏と全休止を繰り返すパターンはディクスン師の偉大な発明だろう。当然ながら、その後このパターンはパクられまくることになる。

米R&Bチャート3位と、マディにとってのチャート最高位となった大ヒット曲だ。