ザ・ローリング・ストーンズ/チェリー・オー・ベイビー(1976)

ブラック・アンド・ブルー

【カバーの快楽】
The Rolling Stones – Cherry Oh Baby(1976)

1971年という、まだボブ・マーリィもメジャー・デビューする前年、映画『ハーダー・ゼイ・カム』が公開される前年のリリースで、本格的なレゲエ・ブームが来る直前の、アーリー・レゲエ・ミュージックの大名曲。

ジャマイカのシンガー・ソングライター、エリック・ドナルドソンによって書かれ、歌われたこの曲は、この年のジャマイカ独立祭の〈ポピュラー・ソング・コンペティション〉で優勝し、覚えやすいメロディと親しみやすい曲調で永く愛されてきた。

ローリング・ストーンズが最初にカバーしたレゲエ・ナンバーがこの曲で、1976年のアルバム『ブラック・アンド・ブルー』に収録されている。

76年と言えばすでにボブ・マーリィも世界的なスターになっていた頃で、政治的なメッセージや攻撃的な内容の新たなレゲエが生まれていた中で、この古いブルースのようなラヴソングを選んでカバーしたというのがいかにもストーンズらしい。
やんちゃなイメージがあるストーンズだけど、彼らが政治的なメッセージを歌うことは滅多にないのだ。

長年聴いているせいか、わたしにはオリジナルよりストーンズ・バージョンのほうが圧倒的に聴きやすいけれども、あらためて聴くオリジナルも、ジャマイカ特有のパンチの効いたあご出汁が出ていて、なかなか味わい深い。
ストーンズが原曲の良さを生かそうと、忠実にやろうとしているのもよくわかる。

↓ エリック・ドナルドソンのオリジナル。

↓ 1984年にはUB40もカバーしてシングルとしてリリースし、全英12位のヒットとなっている。可もなく不可もなく、かな(笑)

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