【妄想レコード】ザ・ローリング・ストーンズ『ザ・レゲエ・ストーンズ』

The Rolling Stones
“The Reggae Stones”

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妄想レコード第3弾は、ストーンズのレゲエ・ナンバーのみを集めた10曲です。冬なのにレゲエですいません。夏まで待てませんでした。

ストーンズはすでに1974年頃からレゲエを取り入れていました。
特にキース・リチャーズはレゲエに入れ込んでいたようで、初めてのソロ・シングルにレゲエの大名曲のカバーを選び、ストーンズのアルバムでも何曲かリード・ヴォーカルを取っています。さらにはジャマイカに移住したこともありました。

なので全10曲中、キースがリード・ヴォーカルを取ったものが3曲を占めていて、現実なら絶対にミックが発売を許可しない割合ですが、これは妄想レコードなので大丈夫です。

レゲエのカバー、レゲエの影響が感じられるナンバー、ストーンズ流のオリジナル・レゲエまで、思った以上に幅広く、バラエティ豊かなものになったと思います。

例によってアナログ・レコードとして販売されることも妄想して、A面・B面と曲順にもこだわりました。

あるいはカセット化されて海の家にでも売ってたら最高だなと思います。砂浜にSONYのドデカホーンを置いて聴きたいですね。

それでは早速、A面のオープニング・トラックから聴いていきましょう。

SIDE-A ① ヘイ・ネグリータ
Hey Negrita(1976)

76年のアルバム『ブラック・アンド・ブルー』収録曲。アルバムはブラック・コンテンポラリーやファンク、レゲエなど、当時最新の黒人音楽の影響が見られる内容だ。

中でもこの曲はアルバムを象徴するような、ファンクとレゲエを融合させたような、ストーンズならではの調理法で攻めた斬新な曲だった。

「ヘイ・ネグリータ」の過去記事はこちら

SIDE-A ② センド・イット・トゥ・ミー
Send It to Me(1980)

80年のアルバム『エモーショナル・レスキュー』収録曲。がっつりレゲエのナンバーで、主にミックが書いた曲なんだそう。あらためて聴くとなかなか良い曲だ。今回初めて気づいた(笑)

SIDE-A ③ チェリー・オー・ベイビー
Cherry Oh Baby(1976)

『ブラック・アンド・ブルー』収録曲。ジャマイカのレゲエ・ミュージシャン、エリック・ドナルドソンによる1971年のアーリー・レゲエの大名曲のカバー。ストーンズのアレンジは、原曲に忠実ながらオリジナルよりも聴きやすい、素晴らしいカバーだ。

「チェリー・オー・ベイビー」の過去記事はこちら

SIDE-A ④ 快楽の奴隷
Luxury(1974)

アルバム『イッツ・オンリー・ロックンロール』収録曲。ストーンズの曲の中ではこれが最初にレゲエの影響を感じられた曲だ。

貧しい労働者が「世の中はいろいろ不公平だけど、女房・子供に贅沢させるためにおれは働くんだ!」と歌う歌だ。素晴らしい。最後の「Harder、Harder(キツくても、ツラくても)」の繰り返しが泣ける。

「快楽の奴隷」の過去記事はこちら

SIDE-A ⑤ クラッキン・アップ
Crackin’ Up(1977)

77年のライヴ・アルバム『ラヴ・ユー・ライヴ』収録曲。ボ・ディドリーの1959年のヒット曲のカバー。
原曲はボ・ビート(ジャングル・ビートとも言う)を緩やかにしたようなカリブ風の曲だが、ここではレゲエ調にアレンジされている。なんだかこっちのほうが正解のような気がするのはさすがストーンズだ。

そして、ここでレコードをひっくり返して、B面に行きます。

SIDE-B ① ハーダー・ゼイ・カム
The Harder They Come(1978)

1979年の12月にクリスマス・レコードとして、A面がチャック・ベリーの「ラン・ルドルフ・ラン」、B面にこのジミー・クリフの大ヒット曲のカバーが収録された、キース・リチャーズ初のシングル・レコードだ。日本でも国内盤として発売されたが、日本ではA・B面を逆にしての発売だった。
プロデュースはキース自身で、すべての楽器をキース自身が演奏しているのだそうだ。

「キース・リチャーズ/ハーダー・ゼイ・カム」の過去記事はこちら

SIDE-B ② フィール・オン・ベイビー
Feel on Baby(1983)

ミックとキースの仲が最悪の時代に作られた、これまで誰かが「名盤」とか「傑作」と言うのを一度も聞いたことがないアルバム『アンダーカヴァー』収録曲。

でもこうやって単独で取り出して聴いてみると、ヘンテコな実験作みたいでちょっと面白い。

SIDE-B ③ トゥー・ルード
Too Rude(1986)

ミックがソロ活動で忙しかった時期で、キースとの仲はさらに険悪になり、キースが主導して作られたアルバム『ダーティ・ワーク』収録曲。そのうえチャーリーもアルコール依存症の治療中で、この曲のドラムもロン・ウッドが叩いている。

レゲエ・ミュージシャン、ハーフ・パイントのカバーで、キースがリード・ヴォーカルを取っている。

SIDE-B ④ 彼女の視線
She Saw Me Coming(2005)

キースがミックの家に泊まり込んで曲作りをしたという2人の仲がアツアツに戻った時代の2005年のアルバム『ア・ビガー・バン』収録曲。レゲエとは言えないかもしれないが、そのテイストは感じられると思う。

SIDE-B ⑤ ユー・ドント・ハフ・トゥ・ミーン・イット
You Don’t Have to Mean It(1997)

妄想アルバムのラストを飾るのはアルバム『ブリッジス・トゥ・バビロン』収録のこの曲。

これまたキースのヴォーカルだけど、管楽器もイイ感じで、カリブの爽やかな風が吹き抜けるような素敵な曲だ。キース自身も「すごく気に入ってる」と自伝で語っている。

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【妄想レコード】ザ・ローリング・ストーンズ『ザ・レゲエ・ストーンズ』goromusic.com

ぜひお楽しみください。

以上、【妄想レコード】ザ・ローリング・ストーンズ『ザ・レゲエ・ストーンズ』でした。

このシリーズはたぶん、まだ続きます。
ストーンズ・ファンのみなさま、乞うご期待。