レッド・ホット・チリ・ペッパーズ/カリフォルニケイション(1999)

CALIFORNICATION [12 inch Analog]

【90年代ロックの快楽】
Red Hot Chili Peppers – Californication

7thアルバム『カリフォルニケイション』のタイトル曲。タイトルは「California」と「姦淫する」という意味の「fornicate」を合わせた造語なのだそうだ。
彼らの故郷でもあり、ハリウッド映画産業に象徴される、巨大資本主義の象徴の地であるカリフォルニアを、すべての夢と欲望を叶える約束の地であるかのような幻想を皮肉っぽく歌っている。

このアルバムは1992年に脱退したギタリスト、ジョン・フルシアンテの7年ぶりの復帰作でもある。

フルシアンテは1992年の日本のツアー中にバンドを離脱、最後のライヴは名古屋だったが、わたしはそれを見ていた。特になにも異常には気づかなかったけど、そのときフルシアンテはヘロインと鬱病で心身ともボロボロの状態だったらしい。

フルシアンテのいない7年間にレッチリはたった1枚しかアルバムを出していないし、シングル・ヒットもなかった。
レッチリのディスコグラフィを見ると一目瞭然なのだが、傑作アルバムが生まれている時期はほぼフルシアンテが在籍した時期と一致している。

この「カリフォルニケイション」でも彼らしい、傷だらけで打ちひしがれたようでもあり、純朴な少年のような情熱の煌めきを感じるようでもある、独特のギターを聴かせてくれる。

彼がいることで、マッチョなファンク・ロックにとどまらない、繊細でメロディアスで独創的なミクスチャー・ロックになっているように思う。
わたしも、レッチリのギターはやっぱりフルシアンテがいい。

その後フルシアンテは、2009年に今度は円満に脱退、そして2019年12月に再び復帰を果たしている。

となると、現在は3度目のレッチリの黄金時代がスタートしたと言えるかもしれない。

レッチリは2016年以来、もう5年もアルバムを出していない。

次のアルバムが楽しみだ。
とんでもない傑作が生まれる予感がする。

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