名盤100選 87 プリンス『パープル・レイン』(1984)

パープル・レイン

プリンスはわたしの最も好きなアーティストのひとり、ではなかったが、この『パープル・レイン』の頃から、最も気になるアーティストであり続けた。

あくまでわたしにとってはだが、プリンスの音楽からは人間の感情らしきものがまるで感じられない。なにも共感できないし、彼についてなにひとつ熱く語ることもできない。
それでもプリンスの音楽は一貫して美しく、ユニークで、その斬新な響きに魅せられる。

音楽スタイルも、ロックなのかブラックミュージックなのかそれとも前衛なのか、どれにでもあてはまる要素はあるのに、どれもしっくりこない。未来的な打ち込みサウンドの要素もあれば、古典的ロックに忠実であったりもする。
彼自身の見た目も、小さくて中性的で、美しいのか醜いのか、カッコいいのか気持ち悪いのか、芸術家なのかオタクなのか、変態なのかノーマルなのか、いまだによくわからない。
ただひとつはっきりしているのは、彼が超の付く天才であるということだけだ。

わたしが思うに彼のなによりも凄いところは、1978年のデビューから33年間にわたって(映画製作をしていた1983年だけを除き)毎年必ずアルバムを発表していることである。
わたしはそういうビジネスマンみたいにきちんと計画を立ててテキパキと仕事をするミュージシャンが好きだ。そういうミュージシャンをわたしはカッコいいと思う。

なんであれ、コンスタントにできる、ということがプロというもので、行き当たりばったりでしかできないのはプロとは言えない。
わたしももっとコンスタントにブログを更新できるぐらいの才能と技術があったら、物書きのプロになったかもしれないのだけど、こんな感じなので全然ムリなのである。

プリンスにハマった、という時期は一度もなかったが、なんだか聴いてる音楽すべてに飽きたなあと感じるときによく、プリンスのアルバムをまとめて聴いたものだった。
めっちゃ熱くハマることはないが、いつになっても飽きずに聴ける新鮮さがある。
もしかするとわたしは、70歳も過ぎたころに、聴くものがもうどうにも無くなってしまって、あらためてプリンスのアルバムを順番に聴いていったりするのかもしれない。

記事を書いた人(Goro)

愛知県在住。中学卒業後、無知蒙昧のまま社会にさ迷い出て、底辺職を転々した後、地元の映画館に拾われる。映画館に10年勤めた後、レンタルビデオチェーンのバイヤーを20年勤め、現在は再び底辺職で肉体労働の日々に返り咲く。心に平安が訪れている。生活に不満はなし。音楽にはいろいろと救われている。「映画は映画館で観なきゃダメ派」ではない。

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コメント

  1. びょおく より:

    Unknown
    purple rainのジャケットはトイレの芳香剤みたいですよね

    お気に入りさせてもらいました