爽快に疾走する殺伐系轟音ギター 〜 ダイナソーJr.『グリーン・マインド』(1991)【最強ロック名盤500】#25

Green -Deluxe- [Analog]

⭐️⭐️⭐️⭐️

【最強ロック名盤500】#25
Dinosaur Jr.
“Green Mind” (1991)

ダイナソーJr.のメジャー・デビュー作として1991年2月に発売された4thアルバム。

なんと言ってもオープニングを飾る先行シングル「ワゴン」が素晴らしい。米オルタナチャート22位とたいしてヒットはしていないが、この曲が当時のわれわれオルタナ・リスナーに衝撃と熱狂を与え、夢中にさせたことは間違いない。この曲を初めて聴いたときから、わたしは彼らが大好きになった。

起きてるのか寝てるのかわからないほど覇気のない、ダイナソーJr.のフロントマン、J・マスシスは、しかしひとたびギターを手にすれば、他を圧倒するギャップが面白かった。

疾走するスポーツカーのようなドライヴ感に、通常生活テンションのヴォーカルと異常猛烈テンションの殺伐系轟音ギターを組み合わせ、なぜか滅法爽快なロックンロールに仕上がるのが衝撃的だった。
ドライヴには最高だけど、高揚感がありすぎてついついスピードを出しすぎてしまう。

オリジナルメンバーのベーシスト、ルー・バーロウはすでに脱退し、ドラムのマーフが「ワゴン」を含む3曲を叩いている以外はJ・マスシスがすべてひとりで演奏している。実質的には彼のソロアルバムみたいなものだが、パワーダウンなど微塵も感じられない。

前3作に比べると、ポップな曲やメロディアスな曲が増え、音楽性が幅広くなり、楽曲が充実している。「Thumb」など、メランコリックな曲がまた良い。

92年の来日時にわたしは名古屋の小さなライヴハウスで彼らを観ることができた。
ちょっとデブになっていたJはステージの左隅にずっと立ったまま演奏し、あまり動くこともなかった。顔はずっと貞子みたいに長い髪で覆われていて、最後までよく見えなかった。

それでも演奏は異様なテンションで、ステージ前のわれわれはそのスピード感と轟音に圧倒されながら洗濯機の中の衣類みたいにぐるぐると回っていた。コケそうになるとだれかが助けてくれた。あんなにバカみたいなテンションで楽しんだライヴも滅多にない。生涯最高のライヴ体験のひとつだ。

(Goro)

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