No.217 ジョン・リー・フッカー/ブーン・ブーン (1960)

Boom Boom
≪オールタイム・グレイテスト・ソング 500≫ その217
John Lee Hooker – Boom Boom

ミシシッピ州出身のジョン・リー・フッカーは1949年に32歳でレコードデビューし、83歳で老衰で亡くなる2001年まで、50年以上もの長きにわたって活動をつづけ、愛され、尊敬を集めたブルースマンだ。

ちょうどブルース・ブームの真っただ中だった60年代のヨーロッパをツアーして熱烈な歓迎を受け、70年代はカリフォルニアに移住して、ロック・ミュージシャンたちと活発に共演し、1980年には映画『ブルース・ブラザーズ』の出演で、ブルースをまだ知らないわたしのような十代の若者にまで「なんてカッコいいジジイなんだろう!」とその存在を知らしめた。
そうか、あの映画のジョン・リーはすでに60歳を過ぎていたんだな。

90年代にはロックの殿堂入りを果たし、キース・リチャーズやヴァン・モリソン、ジョニー・ウィンター、ピート・タウンゼント、マイルス・デイヴィスなど、音楽界たちのレジェンドたちと幅広く共演を重ね、死の数カ月前までレコーディングに参加するなど、ブルースマンとして輝かしい人生を送った。

演奏しながら左足でリズムをとるスタイルが実にカッコイイ。
もしかするとあれも演奏の一部で、バスドラに聴こえるのは、実は彼が床を踏む音なのかもしれない。
実にやんちゃな≪キング・オブ・ブギ≫である。
こんな野蛮なものをクールに歌うジョン・リーがどうにも素敵だ。
都会的な感じはこれっぽっちも無い、原石みたいにゴツゴツしたブルースだけど、どこかロックンロールのスピード感やフィーリングを感じたりもする。