No.301 ロバート・ジョンソン/むなしい恋 (1936)

The Complete Recordings
≪オールタイム・グレイテスト・ソング 500≫ その301
Robert Johnson – Love In Vain Blues

それにしてもデカい手だな。

わたしは彼の写真を見るといつもそう思う。
こんな手でギターを弾いているところを一度でいいから映像で見てみたいと思うが、残念ながら彼の映像は残されていない。写真ですらたった3枚しか見つかっていないそうなのだ。

ロバート・ジョンソンは、戦前のブルースマンとしては最もよく知られた存在だろう。
わたしはローリング・ストーンズのカバーによって、彼の名前を初めて知った。それがこの曲だ。

わたしはそれほどブルースに詳しいわけではないけど、このロバート・ジョンソンの音楽がいかにリアリティに満ちた画期的な音楽であり、後のロックやポップソングという豊かな実をつけるジャックと豆の木の魔法のタネのようなものであることは想像できる。

今から80年も前の音楽ではあるけど、現代のわれわれにも共感が可能な、怒りや、欲望や、あきらめや、幸福や、ユーモアや、哀しみや、絶望が聴こえてくる。
汽車が出ていき、恋が終わる、美しくもせつない情景が心に残る。