リンダ・ロンシュタット/イッツ・ソー・イージー(1977)

夢はひとつだけ(紙ジャケット)

【女子ロックの快楽】 その5
Linda Ronstadt – It’s So Easy!

リンダ・ロンシュタットは1967年にストーン・ポニーズというバンドのヴォーカルとしてデビューしたが、1曲だけ売れた後で解散して、ソロで再デビューした。

彼女は作詞も作曲もしないし、彼女のために書かれたオリジナル・ソングを歌うこともない。
彼女が歌う楽曲はすべて、他のアーティストが過去に発表した曲のカバーのみと、徹底している。

まるで「逆中島みゆき」である。
中島みゆきはカバーはもちろん、他人が書いた曲を歌ったことがない。
その理由が、「どういう気持ちで歌えばいいのかわからないから」ということらしいが、それで言うとリンダ・ロンシュタットにはきっと、他人の書いた脚本を巧みに演じる、女優のような才能があるのだろう。


彼女は他のアーティストの過去のヒット曲をカバーして、再び新しい時代に生き返らせた。
「悪いあなた」は全米1位となり、TOP40入りしたシングルは他に17枚もある。
それらの曲をソングライターたちも、オリジナル・バージョンの歌い手たちも、きっとリンダが、歌に新たな生命を授ける女神のように見えたことだろう。

わたしは彼女のヒット曲の多くが、オリジナルよりもオリジナルみたいに感じることが多々ある。歌に新しい命を吹き込む天才だ。


この曲はバディ・ホリー&ザ・クリケッツの1958年のシングルだ。

オリジナルはチャート入りしなかったが、リンダのバージョンは全米5位の大ヒットとなった。
わたしはバディ・ホリーを心からリスペクトするファンでもあるが、この曲もまたリンダのバージョンの方がよく出来ていて、生き生きとして、素晴らしいことを認めざるを得ない。

リンダの可愛らしい見た目とギャップのある、パンチのある歌声がよく合っている曲だ。
アレンジも完成度が高く、バックの演奏もいい。

記事を書いた人(Goro)

愛知県在住。中学卒業後、無知蒙昧のまま社会にさ迷い出て、底辺職を転々した後、地元の映画館に拾われる。映画館に10年勤めた後、レンタルビデオチェーンのバイヤーを20年勤め、現在は再び底辺職で肉体労働の日々に返り咲く。心に平安が訪れている。生活に不満はなし。音楽にはいろいろと救われている。「映画は映画館で観なきゃダメ派」ではない。

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