パブリック・エナミー/ブリング・ザ・ノイズ(1988)ファイト・ザ・パワー(1989)

It Takes A Nation Of Millions To Hold Us Back

【80年代ロックの快楽】
Bring The Noise – Public Enemy

わたしはヒップホップというジャンルをほとんど聴かないが、それでも80年代後半に急激に勢力を増してロックシーンにも多大な影響を与えていた当時のヒップホップには興味を惹かれ、聴いてみることもあった。

中でもパブリック・エナミーの2ndアルバム『パブリック・エナミーⅡ』は、まずそのサウンドの、ポップミュージックとしての斬新さが面白かったし、当時のロックからは失われつつあったピリピリとした緊張感が張りつめたヤバい世界観も良くて、よく聴いたものだった。

もちろんわたしは英語が算数や理科と同じぐらい苦手なので、彼らがなにを主張しているのかは、ただ想像しているだけなのだけど。

【80年代ロックの快楽】
Fight The Power – Public Enemy

そのパブリック・エナミーのもうひとつの代表曲「ファイト・ザ・パワー」をテーマ曲にして、黒人・白人・アジア人の人種問題を描いたのが、スパイク・リー監督の『ドゥ・ザ・ライト・シング』だった。

ドゥ・ザ・ライト・シング [DVD]

わたしはスパイク・リーの映画ではこの作品がいちばん好きだ。
複雑な歴史や感情を伴って一筋縄ではいかない人種問題を、音楽とユーモアを絶妙に駆使しながら、鮮烈でリアルに描いた、新世代の映画作家の傑作であった。

1989年に公開された映画だったが、その3年後に本当に起こる、1992年のロサンゼルス暴動をまさに予見しているかのような内容でもあった。

記事を書いた人(Goro)

愛知県在住。中学卒業後、無知蒙昧のまま社会にさ迷い出て、底辺職を転々した後、地元の映画館に拾われる。映画館に10年勤めた後、レンタルビデオチェーンのバイヤーを20年勤め、現在は再び底辺職で肉体労働の日々に返り咲く。心に平安が訪れている。生活に不満はなし。音楽にはいろいろと救われている。「映画は映画館で観なきゃダメ派」ではない。

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