クイーン/マイ・ベスト・フレンド(1975)

オペラ座の夜

【70年代ロックの快楽】
Queen – You’re My Best Friend

ここ最近でいちばんぶったまげたのは、映画『ボヘミアン・ラプソディ』が興行収入で100億円を突破したと知ったときだ。

最初は10億円の間違いなんじゃないかと思ったほどだ。わたしは長いこと映画に関わる仕事をしてきたので、その100億という数字がどれほどとんでもない数字かわかっている。
100億といったら『ハリー・ポッター』や『パイレーツ・オブ・カリビアン』『ジュラシック・ワールド』『M:I-2』といった、誰もが知っているハリウッド超大作と同じレベルということだ。一体だれが見てるのかと不思議になるほどだ。

公開当初から、クイーンってそんなに人気あったんだ、とあらためて驚いた。わたしの周囲の友人たちも続々と観に行くので、「あれ? おまえクイーン好きだっけ!?」とびっくらこいたことが何度かあった。

今朝の『ワイドナショー』で松本人志が、「まったく1曲も知らないけど、遅ればせながらつい最近観に行ってきた」と話していたが、実はわたしもそれに近いものがある。

映画の公開を知ったときは、わたしもクイーンの曲には好きなものは何曲かあるものの、とくに映画にまでは興味がわかなかった。しかしあまりに映画がヒットしているのでいったいこりゃなんなのだろうと興味が湧いて、観に行ったのだった。

実際、クイーンをリアルタイムで聴いていた世代だけでなく、若い世代も興味を惹かれて観に行ったようだし(娘の同級生も観に行ったと聞いた)、リピーターも続出したこと、そして「なんでそこまでヒットしてるんだろう?」という松本人志やわたしのような者も観たことによって100億というメガヒットになったのだろう。
まあ、なんにしろ、ロックという音楽がまだまだ人々の興味を惹き、若者たちがロックを聴くきっかけになってくれるのであれば、わたしは嬉しい。

わたしがクイーンの曲で最も好きなのは「キラー・クイーン」「ボヘミアン・ラプソディ」、そしてこの「マイ・ベスト・フレンド」だ。

「マイ・ベスト・フレンド」は1975年のアルバム『オペラ座の夜』からのシングルで、全英7位、全米16位のヒットとなった。

クイーンは当時のグラム・ロックとハード・ロックの両方の要素を持ったバンドだと思う。
この曲はポップなのでだいぶグラム寄りのナンバーという印象だったけど、あらためて聴いてみると、たぶん他のグラム・ロックのバンドはこんな複雑なコーラスや演奏はできないだろうから、やっぱり「クイーン」というジャンル意外のなにものでもないのだろうな、と思う。

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