ザ・ローリング・ストーンズ/シスター・モーフィン(1971)

スティッキー・フィンガーズ
ザ・ローリング・ストーンズ
【100グレイテスト・ソングス】#56
The Rolling Stones – Sister Morphine

71年の名盤『スティッキー・フィンガーズ』収録の、ストーンズきっての不気味な曲。

事故に遭って死にかけている男が病院のベッドで「シスター・モーフィン」というモルヒネなのか聖女なのかナースなのかよくわからない相手に、癒しを求めて語りかけるような歌だ。
麻薬の禁断症状や、死にかけの麻薬中毒者を連想させる。

ちょうど同じ71年に公開されたあの陰鬱な映画、『ジョニーは戦場へ行った』をついついわたしは想起してしまう。
ほぼ植物状態の体でベッドに横たわったままの戦傷者であるジョニーが、実は意識があることをなんとか医師や看護婦に伝えようと必死に試みる話だ。
わずかに首が動くことに気づいた医師は、ジョニーがモールス信号で意志を伝えていることに気づく。「殺してくれ…、殺してくれ…、殺してくれ…」と。

陰鬱でシリアスで不気味な曲調と、この世とあの世の狭間に明滅するようなライ・クーダーのギターが印象的だ。

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