ザ・ローリング・ストーンズ/シーズ・ア・レインボウ (1967)【’60s Rock Masterpiece】

She's a Rainbow - Wikipedia

【60年代ロックの名曲】
The Rolling Stones
She’s a Rainbow (1967)

1967年でローリング・ストーンズは終わりを迎えてもおかしくなかった。

この年の5月にミック、キース、ブライアンが相次いで麻薬の容疑で逮捕され、有罪判決が出た。ブライアンは罰金刑で済んだが、ミックとキースは投獄された後、翌日に保釈された。

音楽面でも、ブリティッシュ・ビート・バンドたちが猛スピードで進化を遂げ、サイケデリックだの、コンセプト・アルバムだのと新たな展開を見せていく中、それまでビートルズと先頭争いをしていたはずのストーンズが、ここへ来て遅れをとっていた。

1967年の『サタニック・マジェスティーズ』は迷走したストーンズの失敗作と名高い、彼ららしくもないサイケデリック風のコンセプト・アルバムだった。そもそもブルースという、リアリズムの音楽をやって来た彼らに、ファンタジーのコンセプトが似合うはずもなかったのだ。

この頃のストーンズについてキース・リチャーズは次のように語っている。

俺たちはガス欠に陥っていた。ストーンズはいつ沈没してもおかしくないくらいの状態だった。(中略)
誰も曲なんか作りたくなかったんだが、アルバムを出さなくちゃならない時期だったし、ビートルズが『サージェント・ペパーズ』を出していたから、まあ要するに、うわべだけ取り繕おうと考えたってのが正直なところだ。俺に言わせりゃ、あのアルバムはまやかしだった。

(『ライフ』キース・リチャーズ著 棚橋志行訳)

しかし、そんなうわべだけのまやかしアルバムにも、美しい曲が収められている。この「シーズ・ア・レインボウ」がそうだ。

印象的なピアノのリフレインのせいか、日本でも何度かCMに使用されている。
なんのCMだったかまでは、残念ながら思い出せないけれども。

『サタニック・マジェスティーズ』の当時の評価は惨憺たるもので、ストーンズの迷走はここに極まったかと思われたが、しかしそこに彼らを救う救世主が現れる。ミックとキースより1つだけ年上の、当時26歳のアメリカ人プロデューサー、ジミー・ミラーである。

翌年、彼の指揮のもとでストーンズは起死回生の復活を果たし、ストーンズの黄金時代へと突入していった。

(Goro)

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