リッチー・ヴァレンス/ラ・バンバ(1958)【’50s Rock Masterpiece】

La Bamba -Hq- [Analog]

【50年代ロックの名曲】
Ritchie Valens
La Bamba (1958)

このブログで何年か前に音楽映画の特集をやったことがあるので、これまでに作られたロック・アーティストの伝記映画に関してはかなりマイナーなものまで含めて見ているはずだ。
そんな中でもわたしが最も印象に残っている作品のひとつは1987年公開のアメリカ映画『ラ★バンバ』だ。

当時わたしが働いていた映画館でも上映した作品で、わたしはそのときまでリッチー・ヴァレンスというアーティストを知らなかった。

リッチー・ヴァレンスはメキシコ系アメリカ人の家庭で育った。
1958年5月に17歳で「カム・オン・レッツゴー」でレコードデビューし、高校のガールフレンドに捧げた2枚目のシングル「ドナ」が全米2位の大ヒットとなった。その「ドナ」のB面に収録されていたのが現在では代表曲となっている、メキシコ民謡をロックンロール調にアレンジした「ラ・バンバ」だ。

しかし1959年2月3日、ツアー中だったバディ・ホリー、ビッグ・ボッパー、リッチー・ヴァレンスを乗せた飛行機がアイオワ州のトウモロコシ畑に墜落し、操縦士を含む4名全員が死亡した。

この悲劇はドン・マクリーンが1971年にリリースしたシングル「アメリカン・パイ」の歌詞の中で「音楽が死んだ日 (The Day the Music Died)」と歌われた。

リッチー・ヴァレンスはデビューからわずか9ヶ月後、享年17歳だった。

映画は、リッチー・ヴァレンスという若者のサクセス・ストーリーと、一方で有名になっていくリッチーを自慢の弟と誇らしく思いながらね、自身はやさぐれた生活から抜け出すことができない兄の複雑な感情をリアルに描いているのがとても良かった。映画のラストはもちろん悲劇で終わり、泣かせるが、エンディングで「ラ・バンバ」のイントロが流れる瞬間は音楽映画史上1位のカッコ良さだ。

映画では同じメキシコ系アメリカ人のバンド、ロス・ロボスがリッチー・ヴァレンスの演奏シーンの吹き替えを担当している。オリジナルに忠実な、彼らの素晴らしいカバーによる主題歌「ラ・バンバ」は大ヒットし、全米1位を獲得した。

他にも多くのアーティストがこの曲をカバーしているが、日本ではなんと1967年の第18回NHK紅白歌合戦で、金井克子が歌ったそうだ。


↓ リッチー・ヴァレンスによるオリジナル。

↓ 映画に使用されたロス・ロボスによるカバー・バージョン。

(Goro)