No.144 ドン・マクリーン/アメリカン・パイ (1971)

アメリカン・パイ +2
≪オールタイム・グレイテスト・ソング 500≫ その144
Don McLean – American Pie

バディ・ホリー、リッチー・ヴァレンス、ビッグ・ボッパーという当時人気絶頂の若き3人のアーティストを乗せた小型飛行機がトウモロコシ畑に墜落し、彼らは還らぬ人となった。
13歳の少年だったドン・マクリーンは当時アルバイトで配達していた新聞の記事によってその悲劇を知り、衝撃を受けた。
この「アメリカン・パイ」は、その日のことを「音楽が死んだ日(The Day the Music Died)」と歌う。
その日とは1959年2月3日、今から58年前の今日のことだ。

8分を超える長い曲のため、当時のシングル盤は前半がA面、後半がB面というかたちで収録されたらしい。
それでもラジオのDJたちはその両面をオンエアし、1972年の年間チャートで3位になるほど大ヒットした。

この曲はロックンロールが誕生した1950年代後半から1970年までのロック激動期の時代について歌われた歌だ。
50年代の「音楽を聴いて幸せになれた時代」からずいぶんロックンロールは変わってしまった、昔のアメリカらしさは失われてしまった、という内容だ。

そのロックンロールの変遷や社会状況の変化が、実名は出てこないけれど、それとわかるような暗喩で歌われていく。
この歌の歌詞が難解と言われたり、わかりにくいものになっているのは、随所にその時代のヒット曲のタイトルや歌詞の一部や小説のタイトルなど、時代を象徴するワードを織り込んだものになっているため、文として少しややこしいものになっているからだと思う。

大意はこうだ。

ロックシーンの主役はエルヴィスから、ボブ・ディランやイギリスのバンドに替わった。
ロックンロールはだんだん巨大産業になっていった。
ザ・バーズが登場し、ウッドストックに数万人の人々が集まった。
ジャニス・ジョプリンも登場し、そしてすぐに去っていった。
ベトナム戦争、チャールズ・マンソン事件、オハイオの学生デモでの射殺事件があり、オルタモントではストーンズが歌っている目の前で人が殺された。
音楽の幸福な時代は終わってしまったのだろうか。
古き良きアメリカの時代は終わってしまったのだろうか。

繰り返されるサビの部分ではバディ・ホリーのヒット曲の歌詞とほぼ同じ「This’ll be the day that I die (この日おれが死ぬ日となるだろう)」と歌われている。

(この歌詞の解説については、下記のwebページを参考にしました。
http://matome.naver.jp/odai/2145196504081182201
歌詞の詳細が気になる人にはぜひ見てみることをお薦めする。
すごくわかりやすくて、とても興味深い)

この曲は2000年にマドンナがカバーし、世界中で大ヒットした。
ダンスミュージック風のアレンジになっているうえ、途中の歌詞を飛ばして短くしているため、このバージョンが好きではない方も少なくないだろうと思う。
でもわたしはマドンナの、優しさに満ちあふれた女神のような声で歌われるこのカバーがとても好きだ。

余談だけど、実はこの記事を今日書くことになったのはちょっとしたミラクルが起きたからだった。
わたしは今日がその悲劇の日だということをまったく知らなかったにも関わらず、この記事を偶然にも明日投稿するつもりですでに下書きを書き終えていた。
さらに、ちょうど今日のお昼ご飯の時に、うどんが運ばれてくるのを待ちながら何気にスマホでFacebookを開き、友人のHot Dogsのギタリストがシェアした記事を呼んでその日が今日であることを知り、1日前倒しで投稿することにしたのだった。

それにしても、キンクスの「ヴィクトリア」の記事の投稿もたまたまヴィクトリア女王の命日と重なったりと、ちょっとしたミラクルが最近はよく起きますね。
ロックの神様からのご褒美かしら。

記事を書いた人(Goro)

愛知県在住。中学卒業後、無知蒙昧のまま社会にさ迷い出て、底辺職を転々した後、地元の映画館に拾われる。映画館に10年勤めた後、レンタルビデオチェーンのバイヤーを20年勤め、現在は再び底辺職で肉体労働の日々に返り咲く。心に平安が訪れている。生活に不満はなし。音楽にはいろいろと救われている。「映画は映画館で観なきゃダメ派」ではない。

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