ギャング・オブ・フォー/ダメージド・グッズ(1978)

Entertainment!

【パンク・ロックの快楽】
Gang of Four – Damaged Goods

イングランド出身の4人組による、1stシングルだ。
彼らはパンクの次の展開をいち早く示した、いわゆる「ポスト・パンク」の代表格と知られる。

それにしても、77年がパンクの一大ブームで、翌78年がもうポスト・パンクなんて、猛スピードで世の中もロックシーンも変わっていった楽しい時代だったことを改めて思う。

好きな人は聴けば一瞬にしてわかるだろうが、ギターのアンディ・ギルはドクター・フィールグッドの初期メンバー、ウィルコ・ジョンソンの影響を受けまくりである。

キレの良い硬質なギターを中心として、ヴォーカルの印象が薄い、ポップ要素が極めて少ない楽曲がカッコいい。甘ったるい酒を飲んだ後に飲みたくなる、強炭酸のみのハイボールみたいな。
アルバムタイトルは「エンターテインメント!」だけれども、その要素がいちばん無いぐらいだ。

バンド名は、中国の文化大革命を独裁的に主導して後に逮捕された4人組のことで、政治的な歌詞も特徴である。

でもわたしは歌詞はよく知らない。積極的に知ろうと思ったこともない。
ロック・アーティストの政治論というのは、時を経て情報も考え方もすっかり古くなってしまっていたりすることが多いからだ。

みんな才能ある立派なミュージシャンのくせに、まだ若すぎて、いつだって思想よりも音楽のほうが長生きすることをわかっていない。

だからわたしはギャング・オブ・フォーなんかは、超クールな最高のダンス・ミュージックとして聴くのである。