パブリック・イメージ・リミテッド/アルバトロス(1979)

メタル・ボックス<缶ケース仕様>

【パンク・ロックの快楽】
Public Image Ltd. – Albatross

セックス・ピストルズで英国を炎上させ、ロック・シーンを焼き尽くしたジョン・ライドンが、それからわずか1年10カ月後にはこの『メタル・ボックス』でシーンをキンキンに凍らせ、恐怖のどん底に突き落とすことになる。

ロックにはすでに地下階もあったけれど、さらにその下の、下水が足元を流れる階層まで降りて行ったような、限りなく深く、暗く、冷たい、暴力的な、前代未聞のサウンドが、まるで地雷のような形の銀色のスチール缶に収められて発表されたのだ。

ベースは地響きを立てるほど強く重く、ギターは空気を切り裂くような金切り声を上げ、ヴォーカルは地下隧道に反響するくぐもった声でマントラを唱えるかのようだ。

1978年1月、ジョン・ライドンは「ロックは死んだ」と言い残して、セックス・ピストルズを去った。これは、その1年後の作品である。これはきっと墓場から蘇った、ロックのゾンビなのだろう。

決して楽しい音楽ではないが、だれも思い描いたことのなかった奇妙な音楽、それまでのロックの最終形態であり、しかし新しいロックの始まりでもあるような力強いサウンドだった。

記事を書いた人(Goro)

愛知県在住。中学卒業後、無知蒙昧のまま社会にさ迷い出て、底辺職を転々した後、地元の映画館に拾われる。映画館に10年勤めた後、レンタルビデオチェーンのバイヤーを20年勤め、現在は再び底辺職で肉体労働の日々に返り咲く。心に平安が訪れている。生活に不満はなし。音楽にはいろいろと救われている。「映画は映画館で観なきゃダメ派」ではない。

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