No.467 パブリック・イメージ・リミテッド/パブリック・イメージ (1978)

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≪オールタイム・グレイテスト・ソング 500≫ その467
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その「さらばベルリンの陽」のシングル・リリースからわずか3か月後にジョン・ライドンはセックス・ピストルズから脱退し、半年後には新たなバンド”パブリック・イメージ・リミテッド(PIL)”でデビューする。
ジョン・ライドンにとってのパンクは終わり、今度はニュー・ウェイヴ・シーンの先駆者となった。

このあたりのスピード感が凄い。
この時代のロックシーンがすべてジョン・ライドンを中心に回っていたような気さえしてくる。

初期PILの音楽は、ジャーマン・ロックの影響が濃い、鉄工所の隣でポップソングの解体作業をしている現場みたいなサウンドを、ミニマル的に延々と繰り返す陰鬱な音楽だ。

ここで選んだ「パブリック・イメージ」はPILのデビュー・シングルだ。
このアルバムの中でも数少ない、ポップソングらしき恰好をした曲で、乾いたエイトビートに、やけに明るい音のギターがキラキラと響き、強めのベースがぐいぐいと押してくる。
そしてなんの感情も無いような空っぽのヴォーカルが甲高くこだまする。

まるでいっさいの意味や感情を剥ぎ取ったような、透き通ったポップソングのレントゲン写真みたいな歌だ。
この異様な、メタリックな質感だがペラペラの空洞みたいな感じがわたしは嫌いではない。クセになる。

なにも聴きたくない気分のときに聴くのにちょうどいい感じだ。

記事を書いた人(Goro)

愛知県在住。中学卒業後、無知蒙昧のまま社会にさ迷い出て、底辺職を転々した後、地元の映画館に拾われる。映画館に10年勤めた後、レンタルビデオチェーンのバイヤーを20年勤め、現在は再び底辺職で肉体労働の日々に返り咲く。心に平安が訪れている。生活に不満はなし。音楽にはいろいろと救われている。「映画は映画館で観なきゃダメ派」ではない。

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