キッス/ラヴィン・ユー・ベイビー(1979)

地獄からの脱出

【70年代ディスコの快楽】
Kiss – I Was Made For Lovin’ You

わたしが最初にキッスを知ったのがこの曲だった。
当時、日本でも大ヒットしていて、中学1年生のわたしの耳にも届いた。カッコいい曲だなあと思ったし、あの悪魔超人みたいな姿にもときめかないわけがなかった。

ハードロック・バンドのキッスがディスコなんぞを、とファンの人たちは思ったのかもしれないけれど、いろんなことを知らない中学1年生にはそんな感情は生まれず、ただただカッコいいなあと思っただけだった。

いろんなことを知らないというのは、幸せなことだ。
なのに人は、いろんなことを知りたがってしまう。そのせいで不幸せになったりもする。難しいものだ。

結果的にこの「ラヴィン・ユー・ベイビー」はキッスのキャリアで最も売れたシングルになり、彼らの代表曲となった。

ただし、このあたりをピークに80年代はキッスの低迷が始まる。
この曲のせいというわけでもないのかもしれないが、ディスコ・ビートの導入は劇的な効果をもたらすけれども、副作用もまた強い劇薬だったのかもしれない。

キッスにとってこの曲はどういうものだったのだろう。
売れて万々歳だったのか、それとも若気の至りと恥じているのか。
もしかすると今では演奏もしていないのではないかと思い、最近のライヴのセットリストを調べてみた。

2019年6月のベルギーでのライヴのセット・リストである。

1.Detroit Rock City
2.Shout It Out Loud
3.Deuce
4.Say Yeah
5.I Love It Loud
6.Heaven’s on Fire
7.War Machine
8.Lick It Up
9.Calling Dr. Love
10.100,000 Years
11.Cold Gin
12.God of Thunder
13.Psycho Circus
14.Let Me Go, Rock ‘N’ Roll
15.Love Gun
16.I Was Made for Lovin’ You
17.Black Diamond

Encore:
E1.Beth
E2.Crazy Crazy Nights
E3.Rock and Roll All Nite

ライヴがいちばん盛りあがるあたりで披露される、めちゃめちゃ代表曲の扱いだった。

記事を書いた人(Goro)

愛知県在住。中学卒業後、無知蒙昧のまま社会にさ迷い出て、底辺職を転々した後、地元の映画館に拾われる。映画館に10年勤めた後、レンタルビデオチェーンのバイヤーを20年勤め、現在は再び底辺職で肉体労働の日々に返り咲く。心に平安が訪れている。生活に不満はなし。音楽にはいろいろと救われている。「映画は映画館で観なきゃダメ派」ではない。

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