【映画】『コントロール』(2007英米) ★★★★☆

コントロール デラックス版 [DVD]

【音楽映画の快楽】
Control

監督:アントン・コービン
主演:サム・ライリー

1976年に結成された英マンチェスターのバンドで、ポスト・パンクのバンドの中でも最も人気の高かったジョイ・ディヴィジョンのヴォーカリスト、イアン・カーティスの23年という短かい生涯を描いた映画。

監督の自己主張が勝った変な切り口や、勝手な改変や想像を膨らませすぎということもなく、よく知られたエピソードは残らず拾い上げ、事実だけを丁寧に描いた、好感の持てる音楽伝記映画だ。イアン・カーティス役のサム・ライリーもそっくりだ。

監督のアントン・コービーは写真家であり、これが長編映画初監督作ということらしいが、全編モノクロなのは映像へのこだわりなのだろう。とくに見づらいとかカラーじゃなくて物足りないという感じもしないので、内容に合っているということかもしれない。

ジョイ・ディヴィジョンがイギリスで人気を博し、いざアメリカ・ツアーへという直前に自殺してしまうイアン・カーティスの、妻と愛人の間で苦悩する姿や、持病のてんかんの発作に苦しむ姿がとてもリアルに描かれている。

それにしても、ジョイ・ディヴィジョンの音楽を聴いたのなんて久しぶりだ。
最近聴いていないタイプの無機的で闇深いネガティヴな音楽がわたしの心に、砂漠に降る雨のようにえらい勢いで沁みわたる気分だった。

ちょっとあらためてジョイ・ディヴィジョンを聴いてみよう。

記事を書いた人(Goro)

愛知県在住。中学卒業後、無知蒙昧のまま社会にさ迷い出て、底辺職を転々した後、地元の映画館に拾われる。映画館に10年勤めた後、レンタルビデオチェーンのバイヤーを20年勤め、現在は再び底辺職で肉体労働の日々に返り咲く。心に平安が訪れている。生活に不満はなし。音楽にはいろいろと救われている。「映画は映画館で観なきゃダメ派」ではない。

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