No.171 ラモーンズ/リメンバー・ロックンロール・レディオ? (1980)

エンド・オブ・ザ・センチュリー+6
≪オールタイム・グレイテスト・ソング 500≫ その171
Ramones – Do You Remember Rock ‘N’ Roll Radio

一般的にはたぶん、ラモーンズでいちばんよく知られている曲だろう。
わたしもこの曲がいちばん好きだ。
ロックンロールの名曲を10曲しか選べないとしても、わたしはこの曲を入れるだろう。

1980年発表のラモーンズ7枚目のアルバム『エンド・オブ・ザ・センチュリー』の冒頭に収められた曲だ。

80年代のスタートという区切りのアルバムでラモーンズはフィル・スペクターをプロデュースに迎えた。なにか今までと違うことをすべきだと考えたのだろう。
フィル・スペクターと言えば60年代にロネッツやクリスタルズのガールズポップをプロデュースし、「音の壁」と呼ばれた、何重にもオーバーダビングしたり深いエコーをかける独特のサウンドで有名になった鬼才だ。
ラモーンズは見た目とサウンドこそパンクロックそのものだが、ビーチ・ボーイズなどのサーフ・ミュージックで育ち、楽曲にも素晴らしいポップセンスが垣間見える彼らの、言わば原点回帰的なチャレンジだったのかもしれない。

ラジオからいつもロックンロールが流れていた時代を憶えてるか?
あの大騒ぎ、最高の時代だった
ジェリー・リーやジョン・レノン、Tレックス
でも70年代も終わり、ひとつの時代が終わったんだ

布団をかぶってひとりでラジオを聴いていた頃を憶えてる
でもロックが過去の遺物になる前におれたちは変わらなきゃいけない
最近はどの曲も同じように聴こえるぜ
(written by Dee Dee Ramone, Johnny Ramone, Joey Ramone)

ラモーンズが変化を求めるなんてちょっと意外な気もするけど、でもたしかにわたしはラモーンズやピストルズで新しいロックンロールの楽しさを知り、遡って古いロックンロールの偉大さも知ったのだった。

このパンクロックらしからぬ、スイーツ系の音のアルバムには賛否両論あるかと思うけど、わたしはラモーンズのポップセンスを大大大評価しているのでこの「ロックンロール・レディオ」みたいな曲が誕生しただけでも大成功だったと思える。この曲はフィル・スペクターでなければこんなステキな仕上がりにはならなかったはずだ。

そしてまたこの曲の歌詞は、子供の頃にラジオでロックを知ったわたしにとって、いつ聴いても、というか年をとればとるほど、胸が熱くなる。

すべてのロックンロールの中でも十指に入るほど好きな曲だ。

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