ワイヤー/12 X U(1977)

PINK FLAG [LP] (REMASTERED, ORIGINAL ART) [12 inch Analog]

【パンク・ロックの快楽】
Wire- 1 2 X U

ワイヤーは英ロンドンで1976年に結成されたバンドだ。

この曲は1stアルバム『ピンク・フラッグ』のラストを飾る曲だ。粗削りな演奏と疾走感がいかにもロンドン・パンクのクソガキらしくて良い。
この『ピンク・フラッグ』はレコード1枚に21曲も収録されていた。それくらい各曲が短く、半分以上が2分にも満たず、1分以内の曲も5曲ある。この曲は1分55秒だ。

この曲の短さは、彼らが当時ほぼ楽器も触ったことのない初心者で結成されたからという理由もあるそうだ。
そうは言っても、タイトで疾走感のあるカッコいい演奏だ。ホント、パンク・ロックなら技術がなくても勢いと気合さえあれば出来るもんだなあとあらためて思う。

当時の彼らのキャッチフレーズ「ロックでなければなんでもいい」は有名になり、これがその後のポスト・パンクやニューウェイヴ全体の指標となった気がする。

この曲はまだ充分にロックではあるものの、装飾やエンターテイメントを削ぎ落した、解体寸前の危うさが魅力だ。