【アイリッシュ・ロックの快楽】
Van Morrison – Brown Eyed Girl
Van Morrison – Brown Eyed Girl
前年にゼムを脱退したヴァン・モリソンの、ソロ・デビュー・シングル。いきなり全米10位の大ヒットとなった。
この曲は永く愛され続け、アメリカのラジオ局では通算1,000万回以上オン・エアされたという。
ヴァン・モリソンの曲の中では最も広く知られた曲である。
2ndアルバム『アストラル・ウィークス』や3rd『ムーンダンス』を知っている人からすると、ヴァン・モリソンにしてはかなりポップでシンプルな「らしくない」感じがする。
まるで初期のブルース・スプリングスティーンの曲みたいだ(実際、スプリングスティーンはヴァン・モリソンの大ファンで、この曲もよくライヴでカバーしている)。
ヴァン・モリソン本人は、この曲を代表作のように言われるのを嫌がっているようだ。
そりゃそうだろう。
もちろん全然良い曲だけれども、その後の『アストラル・ウィークス』や『ムーンダンス』などの、もはやロックというジャンルを超越して、「ヴァン・モリソン」というジャンルとしか呼べないような、唯一無比のスタイルの名曲群に比べたら、やはり音楽の深さや美しさのレベルが違うのだ。
とは言え、こんな曲もまた、ヴァン・モリソンが持っている幅広い才能を証明するものだ。
しかも、この曲を書いたのは、たったの21歳のときなのだ。
こんなチャーミングな曲を休日の朝に聴きながら、窓を開けて部屋の掃除でもしたいものだ。
そんな日は、気分よく過ごせそうな気がする。
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