【アイリッシュ・ロックの快楽】
Van Morrison – Domino
Van Morrison – Domino
ヴァン・モリソンの4枚目のアルバム『ストリート・クワイア(His Band and the Street Choir)』からのシングルで、全米9位のヒットとなった。これはヴァン・モリソンにとってシングル・チャート最高位である。
「ドミノ」はニューオーリンズR&Bのレジェンド、ファッツ・ドミノに捧げられた曲だ。
偉大なオリジネイターから受けた影響に対する、ヴァン・モリソンからの、ニューオーリンズ・サウンドによる返礼である。
なんだか盛り上がってきたところで終わってしまう感もある曲だけれど、これはワーナーから「シングル・ヒット」を出せとしつこくせがまれたため、もともとは長い曲を3分ちょうどでぶった切ってラジオ向きにしたものなのだそうだ。
そういう話を聞くとロックスターも、日々ヒット商品を出せと上司からプレッシャーをかけられている、商品開発部門のサラリーマンとそんなに変わらないような気がしてくる。
でもこうやって、ちゃんと言われた通りヒット曲を出すからエラいものだ。
職人肌のくせに意外に出世して、会社では異端児と呼ばれながら部長まで昇り詰めるタイプかな。
このヒット曲は、ヴァン・モリソンの中でも、明るく、爽快で、無条件に楽しめる佳曲だ。
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