パティ・スミス/フレデリック(1979)

Wave [12 inch Analog]

【NYパンクの快楽】
Patti Smith – Frederick

トッド・ラングレンをプロデューサーに迎えた4thアルバム『ウェイヴ(Wave)』のオープニング・トラック。

「フレデリック」とは、元MC5のギタリスト、フレッド・ソニック・スミスのことで、当時恋愛関係にあった彼への、熱い熱いラブレターのような歌詞だ。

音楽性もずいぶん明るく、ポップに変化している。これをパンク・ロックと言う人はたぶんいないだろう。
やっぱり恋というのは人を変え、パンクの女王さえ変えるものなのだろう。

それでもパティ・スミスらしさが失われたとは思わない。本当の自分を知って、それも曝け出すことで、さらに人間的に成長したように思える。

フレデリックに出会う前は、パンクの女王でいることのハードなライフスタイルに疲弊して、精神的にあまり良い状態じゃなかったらしい。それを彼に救われたのだろう。

翌1980年、パティは彼と結婚して、ニューヨークからデトロイトに移り、専業主婦となって2児を出産し、およそ8年間音楽活動を休止する。
きっとパティにとって、その時期が人生最良の日々だったに違いない。

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