ジョニー・サンダース&ザ・ハートブレイカーズ/ワン・トラック・マインド(1977)

L.A.M.F.: THE LOST '77 MIXES [LP] (40TH ANNIVERSARY) [Analog]
【パンク・ロックの快楽】
One Track Mind

songwriters : Walter Lure, Jerry Nolan

わたしがジョニー・サンダース&ザ・ハートブレイカーズの名盤『L.A.M.F.』を手に入れた時代は、輸入CDの『L.A.M.F. REVISITED』という、ジョニー・サンダースが自らミックスをし直したバージョンのものになっていた。

曲順も77年発売のオリジナルLPと違い、この「ワン・トラック・マインド」が1曲目で、「ボーン・トゥ・ルーズ」が最後だったのだ。オリジナルLPは「ボーン・トゥ・ルーズ」が1曲目だ。

わたしはジョニーが変えた曲順に大賛成。
絶対に「ワン・トラック・マインド」がオープニングのほうがいいと思う。

ハートブレイカーズはツイン・ヴォーカルで、曲によってリード・ヴォーカルが変わる。
この曲ではウォルター・ルーがリードで、ジョニーはサビの部分をユニゾンで歌っている。
ギターが3本入ってるように聴こえるけど、真ん中と左がジョニーだろう。

CDを購入して、この曲が始まり、35秒ぐらいでわたしはジョニー・サンダースとハートブレイカーズのファンになっていた。セックス・ピストルズと同じぐらい好きだった。

パンクの攻撃的な荒っぽさと、本来のロックンロールの楽しさの両方がある、理想的なバランスのパンク・ロックだ。こんなことができたのも、ジョニー・サンダースのギター・スタイルと才能の所以だろう。

彼はシャイなので謙遜して「ボーン・トゥ・ルーズ」なんて自称しているが、本当は「ボーン・トゥ・ロックンロール」なのだ。

このアルバム『L.A.M.F.』はジョニー・サンダースの最高傑作であると同時に、米国のパンク・ロック史上の最高傑作でもある。