米ニューヨーク出身で、小学校時代からの同級生で親友だったポール・サイモンとアート・ガーファンクルは、16歳の1957年にロックンロール・バンドを組んでデビューし、ローカルなヒット曲も放った。
そして大学を卒業すると、1964年にフォーク・デュオとして再デビューする。天才的なソングライター、ポール・サイモンの書く抒情的なメロディと、ガーファンクルの「天使の声」と形容される透明感のあるハイトーン・ヴォイス、そして2人の息の合ったハーモニーを武器に、1stアルバム『水曜の朝、午前3時(Wednesday Morning, 3 A.M.)』をリリースした。
しかしちょうどフォーク人気が下火となった頃で、アルバムはまったく売れず即解散、ガーファンクルは大学院へ戻り、サイモンはイギリスで活動を模索するため渡英する。
しかし翌年にアルバムに収録されていた「サウンド・オブ・サイレンス」がラジオで流れるとその文学的な歌詞も話題を呼んで大学生たちのあいだで火が点いた。プロデューサーを務めたトム・ウィルソンが、弾き語りのみだったオリジナルにドラムやベースなどを足してシングル・カットするとあっという間に全米1位の大ヒットとなった。
イギリスにいたサイモンはレコード会社から急遽呼び戻され、ガーファンクルと共に活動を再開し、その後も順調にヒットを飛ばし、大ヒット映画『卒業』で複数の楽曲が使用されたことによって、さらに世界的な人気となった。
日本でもオリコンチャート1位を獲得するなど、当時の彼らの世界的な成功は、同い年のボブ・ディランを大きく上回るほどのものだった。
彼らの音楽の独特の美しさ、清楚な抒情性、詩的な歌詞は比類がなく、日本で大きな人気を獲得したのも当然と言える。
以下はわたしがお薦めする、最初に聴くべきサイモン&ガーファンクルの至極の名曲5選です。
The Sound of Silence
上記のような経緯で1965年に全米1位の大ヒットとなった、彼らのブレイク作。
映画『卒業』でも使用されて彼らの代表曲となり、世界的な人気を博した永遠の名曲だ。
動画は、メロディと2人のハーモニーの美しさがより際立っているオリジナル・バージョンで。
Scarborough Fair
3rdアルバム『パセリ・セージ・ローズマリー・アンド・タイム(Parsley, Sage, Rosemary and Thyme)』からのシングルで、全米11位のヒットとなった。
なんとも美しいメロディのこの曲は彼らのオリジナルではなく、イギリス民謡をアレンジしたものだ。
アルバムタイトルは、この曲に出てくる謎めいたリフレインで、ハーブの名前を列挙した、一種のおまじないのようなものらしい。
Mrs. Robinson
映画『卒業』のために書かれた曲で、全米1位、全英4位の大ヒットとなった。
イントロのギターのカッコ良さが印象的なこの曲は、この年のグラミー賞最優秀シングル賞を受賞した。
The Boxer
1969年にシングルとしてリリースされた曲で、全米7位、全英6位のヒットとなった。
彼らが初めて16トラック多重録音でレコーディングしたもので、100時間以上をかけて凝りに凝ったサウンドが創り上げられている。
ボブ・ディランが『セルフ・ポートレイト』で、声を使い分けながら1人2役でこの曲のカバーをしている。
Bridge over Troubled Water
5thアルバム『明日に架ける橋(Bridge over Troubled Water)』のタイトル曲で、シングルとして全米1位、全英1位と大ヒットした。サイモンがゴスペルに影響を受けて作った歌で、ヴォーカルはガーファンクルがひとりで歌っている。
スケールの大きな素晴らしい曲だけれども、しかし後半の、橋を爆破したのかと思うほど大げさなアレンジはちょっとどうかな。
入門用にサイモン&ガーファンクルのアルバムを最初に聴くなら、『グレイテスト・ヒッツ』がお薦め。廉価ながら、最初に聴くべき代表曲はすべて網羅されています。
選んだ5曲を続けて聴けるYouTubeプレイリストを作成しましたので、ご利用ください。
♪プレイリスト⇒はじめてのサイモン&ガーファンクル【必聴名曲5選】はこちら
また、apple musicのプレイリストとしても作成済みです。
apple musicをご利用の方はこちらのリンクからプレイリストにジャンプできます。
はじめてのサイモン&ガーファンクル【必聴名曲5選】5 SIMON & GARFUNKEL Songs to Listen to First(goromusic.com)
ぜひお楽しみください。
(by goro)
コメント
こんばんは,お久しぶりです。
この5曲はまさにサイモンとガーファンクル入門用であり,究極の5曲でもありますね。自分もこの5曲はどれも好きで優劣はつけられませんが,あえて言うなら「明日に架ける橋」が一番かな。全米ヒットチャートで「Let it be」と首位争いをしましたね。「アメリカ」や「冬の散歩道」も好きです。
お久しぶりです!
わたしが1曲だけ選ぶとしたらやっぱり…「サウンド・オブ・サイレンス」ですかね。
しかもオリジナルのギターだけのバージョンが好きです。この曲の美しさは絶品という他ないですね。